2011-01-01から1年間の記事一覧

津軽と刑事と酒

「刑事さんの苦労に感動し、造りたいから造った。それだけなんです」。東北人らしく、彼女の口数は多くない。酒に同封された手紙が率直な思いを語っている。 《…事件は解決し平和な町で安心して眠れる今日。刑事さんに感謝をこめて。ありがとうございました…

安全と卑劣

文藝春秋コラムに塩野七生が連載されている。 そのコラムに目を開かされる思いがした。コラムの記事は、彼女がイタリアから日本に戻ってきた時の 日本の状況についてだった。 曰く、震災直後「がんばろう日本」と呼びかけながら 福島産の農作物の流通、京都…

幸せの土地

本で一番幸せな都道府県はどこ? トップ3は北陸、東京は38位、最下位は大阪http://rocketnews24.com/2011/11/10/151272/ マイミクのつぶやきで見つけたネタにふれてみる。 十八の歳、イバラキをでて以来 神奈川、奈良、埼玉、愛知、石川、青森と 移り住んできた…

ジョブス

ジョブスの訃報を聴いてふとこのネタを思い出した。 20年来のAplleユーザーのtacaQ。 自分でも意外だが、悲しいといった感情はさほど湧いていない。 どちらかというと、来るべきものが来たといった諦めに似た感情が 心を支配している。 成功と失敗を繰り返し…

She's a maniac

洋楽雑記帖 A Notebook Of Western Music <1983年1位-11>Maniac/Michael Sembello 現在では「マニアック」という言葉は完全に一般化し、ある嗜好を持つ人の中でも更にコアなものを求めている人を指す場合に使われるが、1983年当時はまだそうし…

甘い水

松本剛の漫画「甘い水」は北海道の地方都市を 舞台にした高校生の純愛物語である。好きになった高校の同級生同士が、 お互いに好意を抱き、幼い愛情を通わせ、 距離を詰めようとするのだが、 二人の恋は実ることはなかった。 それは、少女には人には言えない…

フラッシュダンス

先日、ヨメと映画「フラッシュダンス」を見た。 初見だったヨメは、全身で水を浴びるシーンや主題歌を聞いて かつて見聞きしたことのある場面や曲にちょっとした驚きとともに 主人公アレックスが成功する様にいい映画だとの感想をもらした。 確かに、良い映…

父の戦地

作家の北原亞以子が、ビルマ派遣軍で従軍中に 死亡した父より送られた絵手紙を中心に、 彼女が戦争中に日本で体験した出来事を中心に振り返るエッセイ集。 北原の父は彼女が4歳の時に徴兵されて南方へ赴き 二度と故国へ帰らぬ身となる。 まめに家族へ手紙を…

74

何故だろう、彼が去った月日よりも 存在を知るよしもなかった彼の誕生の日付を 覚えているのは。 類まれなる才能と性格で 日本のみならず世界のモーターファンから愛された加藤大治郎が いなくなって8年の歳月が流れたことに 月日の流れの早さに今更ながら…

虚像の砦

架空のテレビ局PTBを舞台にして 報道とバラエティにかかわる二人のテレビマンの 葛藤と活躍を描いた真山仁のエンターテイメント小説。 この小説は、他の真山作品同様、巨大な敵と戦う男の姿が 描かれているのだが、少なくとも自分は カタルシスを感じること…

空にうまれたさかな

誰かが「生きるって難しい」と嘆くのを耳にしたら、 いつも聞いてみたくなる。 「何と比べて?」 シドニーハリス 偶然見つけたアメリカのコラムリストの言葉。 否定的な言葉と皮肉ばかり口にする最近の我が身の 日常を少しばかり省みる。 苦労らしい苦労など…

マスコミと菅の不誠実

ぼやきくっくり | 「アンカー」不信任案ドタバタ劇の真相&大連立のキーパーソン この間の民主党のドタバタ劇は マスコミを巻き込んだ三文芝居ではないかという。 さもありなん。 昼に散髪屋に行ったら、TBSラジオの 大沢悠里のゆうゆうワイドで鳥越俊太郎が…

菅と東条

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2011052500644 自民党の谷垣禎一総裁は25日午後、衆院議員会館内で講演し、民主党内にも菅直人首相の退陣を求める動きがあることについて「東条内閣の末期、『東条(英機)さんでは駄目だ』と言って 近衛(文麿)さんが…

メンデンホールとビンラディン

人の死を祝うのは、どんな種類の人々なんだろう? 実際に話している声すら聞いたことのない人物を そこまで嫌うことはできるなんて凄いことだ。 俺たちは、一方の主張しか聞いていないのに ピッツバーグ・スティーラーズ RBメンデンホール http://www.nfljap…

国司信濃

よしやよし 世を去るとても 我が心 御国のために なほ尽(つく)さばや 君がため 尽せや尽せ をのが此(こ)の いのち一つを なきものにして 5日付の産経新聞に国司信濃の人となりと辞世の句が紹介されていた。 どれほどの教育をうければ、これほどの人物と…

スタンバイミー

If the sky that we look upon Should tumble and fall And the mountains should crumble to the sea I won't cry, I won't cry, no I won't shed a tear Just as long as you stand, stand by me お父さん、お母さん 私が見えますか。 避難所はとても寒い…

ジョバンニの嘘

男は、災禍のあとに立っていた。 かつては地方の名刹だったはずの場所は かつての面影を失い、廃屋同然となり 文化財に指定されてたいた仏像は、 津波で流されたかあるいは盗難の憂き目にあったのか、 消え失せていた。 体を凍り付くような冷たい風を浴びつ…

痛み

自己の無謬性を信じるものは、自己の過ちに気がつくことはない。 福島第一原子力発電所の事故以来、 放射能怖さに原発を全否定する動きが広がりを見せている。 震災以後、後手に回って問題を解決できない東電を糾弾し 原子力エネルギーを否定することは容易…

恨み

米軍のヘリが避難所にやってきた。 いっぱい、いっぱい食料を持ってやってきた。 避難所にいたみんなが感謝の言葉を口にした。 そんな中で差し出された食料を前にじっとしている 爺がいた。 爺は、60年前の戦争で、親兄弟が空襲で殺されて 家が焼かれて以来…

遠藤未希さん

http://condominium.at.webry.info/201103/article_2.html より転載 東日本大震災:「早く逃げて」命かけた防災無線…南三陸 「早く逃げてください」−−。街全体が津波にのみ込まれ約1万7000人の人口のうち、約1万人の安否が分からなくなっている宮城県…

凍てつく寒い夜

凍てつくさむい夜 避難所の灯り以外、闇を照らすものは春の星しかなかった。 「じいちゃん、あの星は何て言うの」 中学生の孫に答えた。 「あれは、双子座のポルックスだよ」 孫は星にまつわる話が大好きだった。 星が輝いている空の下には、漆黒に塗りつぶ…

地震

妻子はもとより親族等は無事の確認はとれて一安心 惨状を前に、何もできないもどかしかさを覚えつつ 一日をテレビの前で過ごす。 昨日までと何も変わりない今日が とても貴重な時間に思える。

帰還

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110215/trd11021519200017-n1.htm 15日、東京・千鳥ケ淵戦没者墓苑で営まれた戦没者遺骨の引き渡し式。第二次大戦の激戦地、硫黄島では今年度、過去3番目の規模となる822人分の遺骨が収容された。式に出席した首相…

中原の虹

1900年代、清朝が倒れ、新時代の幕開けと期待された 辛亥革命も暗礁にのりあげ無政府状態となった中国を舞台とした 「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」に続く浅田次郎の大河小説。 清朝末期、東北部の満州に忽然と現れ 瞬く間に満州の主となった張作霖 彼はいったい…