帰還

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110215/trd11021519200017-n1.htm

15日、東京・千鳥ケ淵戦没者墓苑で営まれた戦没者遺骨の引き渡し式。第二次大戦の激戦地、硫黄島では今年度、過去3番目の規模となる822人分の遺骨が収容された。式に出席した首相の菅直人は「引き続き国の責務として収容作業を徹底する」と宣言した。


今にも雪が降り出しそうな寒い曇り空の2月14日、
硫黄島から航空自衛隊のC-130輸送機で戦死者のご遺体が帰国された。
硫黄島は、国内だから本土への帰還と表現する方が適切かもしれない。


戦死された方が受けたであろう熱烈な壮行会とかけ離れた
自衛隊関係者以外に出迎えのなかった帰還に
六十余年に踏みしめた本土をさぞ寒い感じられたことだろう。
戦死者の方々に対して申し訳なさでいっぱいである。


戦死という最期を遂げられたことは名誉ではあり
非業の死と一概に断定はできないが、
やはり過酷であったであろうことは想像に難くなく
それぞれにあった無念さを察するとき
今回帰還された方とまだ彼の地で眠られている方々の冥福を
衷心より祈らざるにはいられない。


彼らが命を賭してまで戦った国は破れ
国民は戦禍に巻き込まれた。
生き残った国民で焼け野原から立ち上げた国では
歴史を忘れ、道徳を失い
政治家は欲にまみれ、国民は我欲を増大させ
人倫に悖る行いが蔓延っている。
そもそも戦争に挺身した彼らに何ら報いようともしない我らが
偉大な先人の末裔と名乗ることすら
おこがましいとさえ感じる昨今。


今のこの国に誇れるものなど
片手であまる数かも知れないが
それでもこの国を守って命を落としたことを
冥界で誇れるように、そして心安らかに眠れるよう
この国を立て直すことを英霊に誓う。