フラッシュダンス


先日、ヨメと映画「フラッシュダンス」を見た。
初見だったヨメは、全身で水を浴びるシーンや主題歌を聞いて
かつて見聞きしたことのある場面や曲にちょっとした驚きとともに
主人公アレックスが成功する様にいい映画だとの感想をもらした。


確かに、良い映画だと思う。
スタントといえ、ダンスシーンは本物の迫力があり
貧しい人間特有のコンプレックスや差別とすら感じる壁の存在を
それとなく感じさせ、それを突き崩すことで得られるカタルシス
十二分に生かした映画である。
ただ、BGMの使い方やシーンのつなぎなどの粗も多く
20年前には気にならなかった点も多くあった。


映画を主演したジェニファー・ビールスは、この直後の映画でコケて
スポットライトから長らく遠ざかり
主題歌を歌ったアイリーン・キャラはこのあとギャラを巡って
裁判を起こし、勝訴したものの結果的に干し上がっていまう。
さもすれば映画の成功と失敗より
作り手側の成り上がりと転落の方に興味を感じてしまうが
83年制作のこの映画は、紛れもなくその時代を代表する映画である。


見えない壁や偏見に苦しみながらも、明日に希望を持つ人々がいる限り
情熱ですべての壁を突破しようとする人にとって
この映画は、その主題歌とともに人々に語り継がれるべき存在である。
わずか100分足らずのフィルムだが、年甲斐もなくそう思う。