クレイではなく内藤

日曜日NHKのサンデースポーツを見ていると
カシアス内藤が沢木耕太郎らと組んで横浜でボクシングジムを
開設したというニュースを流していた。（関連記事）
作家の沢木耕太郎、内藤カメラマンが奔走してジム開設に漕ぎ着けたとテレビは伝えていた。
当のカシアス内藤自身、この話に当初乗り気ではなかったが
喉頭がんに冒されていることを知って、
人生の残り時間をボクシングに賭けることを決意したとのことだ。
手術を拒否し、最後のゴングが鳴るまで戦い続けようとする姿勢に
彼の師である故エディ・タウンゼント氏の晩年の生き様を重ねた人間は、
私だけではあるまい。

アリスの名曲「チャンピオン」のモデルでもある彼は
故エディ・タウンゼント氏によれば、出会ったボクサーの中で
一番素質に恵まれていた選手で、世界チャンピオンさえ十分に狙える器だった。
しかし、心が優しすぎたせいか、東洋太平洋チャンピオンになったのを頂点として
そのキャリアを終えてしまった。
生前、エディ氏は

「おお、ナイトウ、ボク、あなたに全部教えたよ。　全部、全部、全部。
　全部教えて世界チャンピオンになれなかったのは、あなただけよ。」

と苦笑いしながら語ったことがあったそうだ。

カシアス内藤は、エディ氏の命日である2月1日にあわせジムを開設した。
墓前に手を併せたカシアスは、エディ氏に何を報告して何を誓ったのだろうか。

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