終戦記念日の昨日、車に乗ってブラブラしている時
J-WAVEが、番組の中でコミケのレポートをしているのが耳に入ってきた。
コミケに集まっている人間が、谷亮子の金メダル獲得を知らなかったので
ラジオのナビゲーターが驚いていたが、そんなことは驚くに値しない。
かなーり遠い昔に自分も漫画家になる!と思ってクチなので、一歩間違えば
そこにいたかも可能性もなきにしもあらずなので批判めいたことは言いたくないが、
コミケに集う彼らは別の国の住民である。


特異な人達を除き、日本中、右も左も上も下もオリンピックだらけである。
tacaQ地上波のテレビが見れないので、オリンピック関係の情報がかなり疎くなっているが
それでも谷亮子の映像は、何度か目にした。
4大会連続の決勝進出、2大会連続の優勝は、素晴らしい成績で
大会直前にケガをしたことを思えば、その不屈の精神ともども
大いに賞賛されてしかるべきなのだが、素直に拍手を送ることができない。
勝戦、時間切れのブザーが鳴り、優勝が決まった瞬間に、畳の上で飛び跳ねて
喜びを表現するシーンが、どうも引っ掛かるのである。
曖昧な記憶だが、確かシドニーでも似たような光景を見た。
多くのプレッシャーと闘い、それを克服して世界の頂点に立った
彼女の感激を否定するものではないが
それを試合終了の礼も済まないうちに表現しても良いのだろうか。
十代の若い選手ならいざしらず、競技生活を十年を越えるベテランの選手が、である。


礼に始まり、礼に終わるというのが、柔道に限らず武道共通の精神だった筈である。
それとも、柔道は、カラー柔道着とともに完璧にスポーツとなり、礼をなくしてしまったのだろうか、
と漫画家を夢見た元剣道少年は疑問に思う。