努力なき才能は恐るるに足りんが、努力する才能にはかないようがない
ダービージョッキー一色登希彦



NFLマイアミドルフィンズのリッキーウィリアムズが、
サマーキャンプ直前で突然引退との報を聞き、ふと一色登希彦の漫画の台詞を思い出した。
このことについてNFL-JAPANでマークレビッツがコラムを書いていた。
記事を要約すれば、リッキーはNFLのドラッグテストにパスできなかったことが
引退と引き金になったのだろうが、彼は引退を撤回しフィールドに戻ってくるべきであるという
ニュアンスで述べられていた。


NFLというのは、肉体的に過酷であるばかりでなく、精神的にもかなりハードである。
今年からオークランドレイダースに移籍したコリンズも
強豪チームのスターターQBというプレッシャーから逃れるため
酒に溺れて、ただ同然の値段(5ドル)でトレードに出されるまでアル中になったことがある。
コリンズに限らず酒やドラッグに溺れてスターの座を失った例は枚挙に暇がない。
リッキーの場合は、落ちぶれる前に引退するというのだから
ある意味賢い選択かも知れない。


マイアミの関係者やリッキーのファン以外にも、彼の引退を惜しむものは少くない。
鋭いカットで巧みにタックルをかわす彼の走りは
現役のNFL選手の中で5本指に入るほど美しいし、そのプレーをもう観られないのは確か寂しい。
だが、私は彼の引退をさほど惜しいとは思わない。
NFLが生半可な意志で通用する世界でないことをしっているし、
ドラッグをやりながらプレーするなど、フットボールに対する侮辱以外の何物でもないからだ。
マリファナは、その他のドラッグに比べれば害も少なく常習性も軽いが
それでも、スポーツマンが嗜む種類のものではない。