本好きの下剋上



ネットに落ちていた試し読みのページをめくったら
設定の妙に引き込まれて、はまってしまった。



卒業を控えた本好きの女子大生が
本の下敷きとなりなりながらも
本の読める世界に生まれ変わりたいと願った転生先は
本はおろか紙すらない文明が未発達の異世界だった。

元女子大生の魂が宿った虚弱で非力な幼女は、
身分制度、教育の未整備と低い識字率
未発達な経済と流通、科学技術等々、そして魔法、エトセトラ、
現代日本とは大きく異なる環境の中で
紙の手作りから本の製作を開始する。

主人公が本を読みたいがために
巻き起こす騒がの数々が
時におかしく時に悲しく
多くの出会いと別れに彩られながら
歩みを続けるその様がとても心地よい。

主人公の家族、友人、仕事仲間などの
主要なキャラクターが丁寧に書き込まれており
魅力に溢れた登場人物の多彩さが
物語の世界観に奥行きを与え、
異世界を飽きることなく導いてくれている。


ジャンル的には、なろう系の異世界転生物語に括られるが
本好きの人であれば、引き込まれずにはいられない
不思議な魅力に満ちた作品である。




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