奪還を命ず


漫画奪還を命ず―拉致被害者を救出せよ!!


日本に侵入した北朝鮮の女性工作員
それは、20数年前に拉致された日本人女性の子供だった。
"死亡"した女性工作員の証言を足かがりに
ついに政府は自衛隊に対し
拉致された日本人の奪還作戦を命じる。
極秘作戦は果たして成功するか?


荒唐無稽な筋書きだが
一つのシミュレーションとして考えれば
こういう漫画もありだろう。
多少ご都合主義に走っている感もなくはないが
それはそれとしてそこそこ読める作品だと思う。



拉致問題は安倍現首相の金看板であった筈だが
外務省の佐々江太平洋アジア局長の見通し違いから
交渉は頓挫してしましったと伝えられる。
先日のモンゴルにおける六カ国協議に先行した日朝二国間交渉でも
進展はなき等しいようだ。
時間ばかりが無為過ぎ、被害者も家族も高齢化が進みつつある今
指を加えて座視するばかりが脳ではあるまい。


本書の冒頭に拉致問題に携わっている荒木氏の文章が掲載されて
力ずくの奪還に、民間より自衛官の方に拒否反応が大きいことが
紹介されていた。
もし自衛官が、装備の不足や命令の根拠の不明を
任務拒否の理由にあげるならばとても寂しいことだ。


日本人として私は思う、彼らを救出すために
手段を問うている場合ではない、と。