先日、首相がブラジルの日系一世の話を聞き涙を流した時
「そんなことで泣く時間があったら、拉致された同胞を救ってくれ」
拉致被害者家族会が云った云わないで
家族会バッシングの首がもたげそうな気配があった。
この発言問題に限らず、経済制裁を求める家族会が政治的であるなどと
家族会の行動を問題視する意見を見かけることが多くなった。


私見を言うならば、拉致問題は政治抜きで解決することはありえず
家族会の発言が政治的なものになるのは自然な流れであるから
先の発言問題にせよ、家族会がそうした趣旨の発言をしたとしても、
至極当たり前のことで、その発言は許容させるべきだと思う。
幸いにして、首相再訪朝後のことのようにはならななかったが
家族会を牽制することで利益を得ようとする第三者の悪意をしばしば感じる。



自国の国民が今なお不法に北朝鮮に抑留され、その事実の一旦が明からにされ
少なくない時間が経過したにも関わらず
日本が安保理常任理事国にふさわしい活動をしているという首相は
理事国入りをアピールして何をしたいのだろうか。
同胞を救うため経済制裁の決断一つできない国が
憲法9条で集団安全保障を認めない国が
常任理事国入りして一体何の役に立つのか。
肝要なことを曖昧にしたまま矮小な利己の利益だけを追求する姿勢は、
国と国民に幸福な結果をもたらすことは決してない。



今の日本に必要なのは、安保理常任理事国という名誉でなく、イラクを制圧する力でもなく
日本人を救うという正義を貫く覚悟と意志である。