支店長の送別会の席で、職場の連中に過去にフットボールをしていた話をしたら
帰ってきた言葉は「tacaQさんて、文化系の人間かと思ってました。」
文化系という言葉に、オタクのニュアンスがあるかどうか微妙なところだが
tacaQ今も昔も完全無欠のフットボーラーである


そんなフットボーラーのtacaQが野口がゴール後にみせた「シューズにキス」の秘密
という記事を読んで思い浮かべたのが
第22回スーパーボウルのことである。


当時tacaQは、いたいたけな高校3年生で、
進路指導を受けるため高校のある下妻まで15キロの道のりを自転車で出向いていたので、
この試合は録画したビデオで見た。
ゲスト解説で呼ばれた長島茂雄が、エルウェイのTDパスを
「ホームランです、いきなりホームランが出ました!」と叫んでいたのを見た記憶がある。
この年のスーパーボウルは、DenverブロンコスとWashingtonレッドスキンズで争われており
下馬評ではデンバー有利で、弁護士のケントなんとかが「デンバーの勝ちですよ」と
戦前にテレビでのたまわっていた。
tacaQもデンバーが勝ったものと思ってビデオを再生していたのだが
第2Qに入り、信じられない光景を目にした。
1Qで0-10と一方的に押されまくったレッドスキンズが逆襲に出て
2QだけでTD5本というスーパーボウル記録のおまけまでつけて35-10と
試合を一気に決めてしまったのである。


これには、ちょっとしたからくりがあったのを後日知った。
第1Qスタジアムの深い芝に、文字通り足下をすくわれていたレッドスキンズ
スパイクのクリーツ(底のスタッド)をそれまでのものより長いものに交換したのである。
これがズバリあたって、走ってはスリップを繰り返すデンバーの選手を横目に
レキンズの選手は縦横無尽に走りまくった。
用具係がこの交換を進言しなければ、おそらくスーパーボウルのMVPリストに
黒人QBの名前は、まだ刻まれていなかっただろう。


どんなに多くの汗を流しても、たった一つのチョイスで水泡に帰すことがある
それがスポーツの面白さであり、厳しさなのだと思う。