SUPER BOWL XL

「24歳ってのは出生証明書にそう書いてあるだけだろう。プレイぶりだけなら古株さ」
Pit.スティーラーズ OG アラン・ファニーカ

リーグ最強のRBvs鉄壁の守備ティールカーテンの対決で接戦が
予想された今年のスーパーボウルは、4Qまで競り合う緊迫したゲームになった。
今回がスーパーボウル初出場のSeaシーホークスだが
Pit用の作戦を十分に準備していたことが、その試合内容から伺えた。
プリッツを多用するスティーラーズの守備の弱点を衝くように
ショートパスをサイドライン際にヒットさせ陣地を稼げば
リーグMVPのRBショーン・アレキサンダーも20回のキャリーで95ヤードと
オフェンスは十分に機能していた。
守備陣も3Q開始直後パーカーに独走TDプレーを許したとはいえ
スティーラーズの攻撃をほぼ止めていた。
ただあれはサインで突っ込んだセフティーのコースがたまたま悪かったに過ぎない。


一方スティーラーズのQBロスリスバーガー
二つのインターセプト、パスは21回中9回成功率42.9%と出来は良くなかった。
RBパーカーも75ヤードのスーパーボウル記録のタッチダウンがあげたものの
それをのぞけば9回のキャリーで18ヤードと調子が良かったとは言えないだろう。
しかし、勝者となったのはスティーラーズでありシーホークスではなかった。


一言でPItの勝因を云うならば、ツキだと思う。
2Qロスリスバーガーがみせたスクランブルからの変形シャベルパス
3rdダウンロングで左にロールアウトして投げたヘイルメアリーもどきのパス
ベティスをブロッカーにしたロスリスバーガーのTDランの微妙な判定など
それらのプレーは全て失敗していたとしてもおかしくはなかった。
だが、すんでのとろこでそれらは成功しスティラーズは得点を奪った。
或いはロスリスバーガーの粘りがツキを呼び勝利を掴んだと言えるかも知れない。
いずれせよロスリスバーガーは史上最年少の優勝QBとなった。


ツキがあったスティラーズに比べてシーホークス
4Q、ゴール前1ヤードまで前進したかとおもいきや反則で取り消されたり、
肝心のところでプレーが不発で得点を挙げることができなかった。
特に2回のフィールドゴール失敗は、シーホークスの試合運びに
微妙な影を落としていたように思える。
前半終了間際のFG失敗はともかく、後半50ヤードでFGを狙わせて失敗したのは
試合巧者のホルムグレンらしくなかったよう気がする。
あの場面では4thダウンギャンブルを賭けるなり、その前に1stダウンを狙うか、
少しでも前進してFGの成功率を高めるなりのやり方があったと思う。
結果論にはなるが、ショートパスも出ていたし
ランも効いていたのだからもったいないとしか云いようがない。
シーホークスは勝負を賭けるポイントを見つけることが
できないまま時間を無為に消費し敗れたと言えるのではないだろうか。


ビッグゲームで勝つにはツキが必要である。
そのツキを呼び込む何かがスティーラーズロスリスバーガーにはあったと私は思う。