ウチナー

「戦争が終わったら、沖縄へ来て下さい。
 きっと、そこで眠ってる筈ですから。」

とある特攻隊員の言葉を目にした時、
自分は、涙腺がゆるむのを止めることはできなかった。



今週の日曜日は、沖縄戦慰霊の日だった。
月曜日のニュース23では、
それにかこつけて特集を組み有事立法反対を訴えていた。


沖縄戦で、軍が住民をガマから追い出した。
軍が集団自殺*1を強要した。
軍は住民をまもらなかった。
それらは、いちいちにして事実であったかも知れないし
目を背けたくなるように多くの悲劇が、彼の地で繰り広げられたのは史実のとおりである。
少なくない住民が死傷したことを考えれば、生き残った人間が
旧軍や軍人を誹謗しても、それは至極当然のことであると私は思うし
それに異を唱える権利など、戦争を知らない自分にあろう筈がない。


ただ、私は、声を聞きたい。
沖縄戦を戦って、死んだ将兵達の、
軍とともに協力し死んだ住民の、
声を。
彼らは何を願い、何を望み、何を託したかったのか。
沖縄戦で亡くなった住民の御霊を靖国に祀ろうとして、
残された遺族の多くが奔走したのはなぜか。


沖縄慰霊にかこつけて、戦争立法反対と安易に述べることは
死者の魂を侮辱するに等しい行為だと私は思う。

*1:軍ではなく、村の助役が自決を申し出たという話もある。