ENIAC神話の崩れた日

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40年前、赤塚不二夫のニャロメシリーズで
世界最初のコンピューターはENIACだと記憶したが
約25年前に、伊藤智義、久保田眞二の漫画で
そうではなかったことを知った。

ENIAC神話の崩れた日」には
漫画BRAINのカットの元になったと思しき写真が
ちらほら出てきて、
漫画の下敷きはこの本だったと理解した。

「世界最初」の栄冠は、魅力的だが
先人を貶めてまで得たとしても
むなしいのではないだろうか。




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アイオワ州立大学に籍を置く
ブルガリアアメリカ人ジョン・ヴィンセント・アタナソフが
酒場で杯を傾けているときに
新しい計算機のアイディアが降りてくる。
アタナソフのアイディアは学内で理解されなかったが
やがて、一人の学生が興味を示す。
クリフォード・ベリーと名乗る学生が
アタナソフの研究室に加わると
二人は新しい計算機の製作にのめりこみ、
真空管を使った新しい計算機
アタナソフ・ベリー・コンピュータ(Atanasoff Berry Computer)を
1939年に完成させる。

しかし、第二次世界大戦とともに二人は研究を中断を余儀なくされ、
戦後も研究が再開されることないまま、
またABCも大学がアタナソフの許可もないまま処分してしまう。

1946年、モークリーが開発した弾道を計算するENIACが登場し
アタナソフの偉業は顧みられことなく忘れさられていく。

1963年にはベリーが謎の"自殺"を遂げる。
4年後の1967年、ハネウェルが
スペリー・ランド社がもつENIACの特許を
無効と訴えたことで
アタナソフとABCが脚光を浴びる。
証人として出廷したアタナソフは
2万件に及ぶ資料を提出して
ENIACの特許の一部無効との判決を勝ち取り
世界初のコンピュータ開発の栄誉が
アタナソフとベリーに授けられる。



『BRAINS』第2巻


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