嫌われ松子の一生


嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)

学校の教師を勤めている時は上司からセクハラを受け
生徒の窃盗をかばったら濡れ衣を着せられて解雇。
教師を辞めると同時に家出してウェートレスを始めて
初めて同棲した男は苦悩の故に自殺。
その男の親友と不倫関係を結ぶも結局は振られて
やけくそでソープランドに就職。
店でナンバーワンの売れっ子になるも
マネージャーがかわり冷遇され
ヒモに誘われて別の店に移籍。
その先で覚醒剤に溺れた挙げ句、浮気したヒモを刺殺。
刑務所に入り美容師の資格をとって出所し真面目に更正したのもつかの間
昔の教え子がヤクザとなって登場し関係をもつうちに
再びに塀の中に転落・・・


はっきりいって救いようのない暗い女の人生の物語なのだが
不思議と読み通してしまった。
主人公の甥っ子が死んだ叔母の人生を辿るという構成になっており
悲惨な話につきものの鬱陶しさを感じることなく淡々と読むことができた。
話の展開はそれなりに巧さを感じるが
キャラクターの魅力を十二分に生かしているとは言い難い。
松子の人生に興味を示した甥っ子のGFはキャラが立ち
物語にいいアクセント与えているのだが
伏線として張っている設定が大分弱く、やや物足りない印象が残った。


映画の予告編のイメージや女優のコメントのイメージで
読み始めたのだが120%印象が違っていた。
それにしてもこんな話をどうやって映画にしたのか?
とりあえず下妻物語で見せた中島監督の手腕を楽しみにしておこうと思う。