燃え尽きるまでRUN

 この頃はいろんな意味で鍛えられたね。「マツバラ」では22時間かけて移動して、土のグラウンドで試合して、また24時間かけて帰ってくるなんてこともザラにあった。でも僕も若かったから、全然辛くなかったね。それよりも試合に出れることが嬉しかった。
「ペレのいる国、ブラジルでボクは本当の"プロ"になった。 」カズ



http://news.goo.ne.jp/news/reuters/sports/20050719/JAPAN-182400.html

7月18日、NFLで活躍したティム・ブラウン(右)がレイダースの選手として現役引退を表明した。

Oakレイダースで活躍したティム・ブラウンが一日だけレイダースと契約した。
彼はTBバッカニアーズの所属であったが
16年間所属したレイダースのジャージを着て引退するためである。
昨年彼は、活躍の場を求めてバッカニアーズに移籍したものの
満足のいくレベルで成績を残すことができず、
ついにグリッドアイロン*1から去ることになった。


レイダースを応援してきた人間の立場からすれば、
1年くらい引退の時期を早め、生え抜きのままで"卒業"して欲しかったことだろう。
そういう意見も理解できる部分が少なからずあるが、
フットボーラーとして晩年を"汚して"まで現役にこだわったブラウンの心情も
それと同じくらいよく分かる。
銭金の問題でなく、彼は燃え尽きるまで戦いたかったのだ。


NFLでは、近年FA(フリーエージェント)とサラリーキャップ制度の厳格な運用で
高給の選手だけでなく、フランチャイズの顔とも云える中堅プレヤーが
いとも簡単にカットされたり、移籍してしまう。
選手がチームに愛着を感じ、そこでキャリアを終えたいと思っていても、
それを簡単に許さないのが今のNFLである。
同制度は、チームの戦力均衡による実力伯仲の熱戦を提供し
球団経営の健全化という点では、間違いなく"功"なのだが、
選手の定着という点から見れば"罪"と思える部分が少なからずある。
日本人と比較してビジネスファーストでドライと思われているアメリカ人だが
全てがそうした人間ばかりではない。



http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/sports/20050721/20050721ie21-yol.html

サッカーの元日本代表でJ2・横浜Cへの完全移籍が決まったJ1・神戸のFW三浦知良(カズ)(38)が21日、都内で会見し、「1試合でも多く試合に出て勝ちたい」と抱負を述べ、「(これまで所属した)サントス(ブラジル)、ジェノア(イタリア)、神戸、横浜と、港町に縁があるようだ」と語った。


移籍といえば、神戸のカズも新監督の構想から外れ横浜FCに移籍した。
シドニーオリンピックの頃、カズの記事を書いたところ、
"俊輔は凄いと思うけどカズは・・・"という意見を頂いたことがある。
あれから3年の月日が流れた今、カズの凄さを知っている人間はさらに少数になっただろう。
ブラジルで三番目に上手い左ウィンガーとして評価され
ブラジル人だったら代表に呼ばれたのにと云わしめた彼のプレー。
日本のJリーグを立ち上げるためだけに、
ブラジルの名門サントスから惜しまれつつ読売に移籍してきたものの
日本のサッカーに馴染めずベンチを暖める屈辱を味わい
努力でポジションを勝ち取り、日本代表を率いフランスまで導いた男
彼のイタリア挑戦は成功とは云い難いが、
プレッシングサッカー全盛期のイタリアではなければ、どうだっただろうか。


成功と挫折を繰り返しながらも、活躍できる場を求めて常に戦い続けた男
カズには、どのチームであれ納得いくまで戦って欲しいと思う。





FOLZA KAZU!!

*1:フットボールのフィールド。フットボールのフィールドが焼き網のように線が引かれていることからこう呼ばれる