僕は照れて愛という言葉が言えず、君は近視まなざしを読み取れない

哀しみの裏側に何があるの?
涙さえも氷りつく白い氷原
誰でも心に冬を隠していると言うけど
あなた以上 冷ややかな人はいない


君の手紙読み終えて 切手を見た
スタンプにはロシア語の小さな文字
独りで決めた別れを責める言葉捜して
不意に北の空を追う


伝えておくれ
十二月の旅人よ
いつ・・・・いつまでも 待っていると



「さらばシベリア鉄道」作詞/松本隆・作曲/大滝詠一

1週間ほど前、テレビ番組表を眺めていたら
「ラバーズキス」という文字が眼に飛び込んできた。
その日の夕方、吉田秋生の同名漫画が原作の映画が、
BSデジタルジャパンで放映されることになっていたのである。
吉田秋生の漫画はわりかし好きで、結構読んでいるのだが
この時まで、吉田秋生の漫画が映画化されたことを知らなかった。


だが、ラバーズキスという言葉に触れて、
真っ先に頭を過ったのは、吉田秋生のことでなく
ミサワでそこそこ通っていた飲み屋の近視のおねえちゃんのことだった。
彩玉に来てからもときどきバカメールを交換しているコがいるのだが
そのコは、携帯のアドレスに「ラバーズキス」という文字を入れていた。
勿論、彼女は吉田秋生のラバーズキスの愛読者だった。



昨日は、小雪が舞う寒い一日だった。
ミサワは吹雪いていただろうか?
春間近に舞った12月の旅人にそっと尋ねて、
伝言を頼みたい気分だった。