下駄

世界最速のF1タイヤ―ブリヂストン・エンジニアの闘い (新潮新書)


一週間ほど前、近所の本屋で立ち読みしてきた。
世界最高の技術の戦いであるF1レースを支えるタイヤメーカーの奮戦記で、
ミシュランとの30年来のライバルシップなどが熱く語られていて、
それなりに面白かった。


F1は、ターボマシンがレースを席巻した80年代から大きく変動した。
ターボ技術はF1マシンをよりハイパワー化させ、レースを高速化させた。
ホンダはF1活動第2期間中、FOCAから嫌がらせとも受け取れるレギュレーションの
変更を受けたが、FOCAのその方向性はあながち間違っていなかったと思う。
それが証拠にホンダがグランプリシーンから撤退した後も
リアウィングの規制によるダウンフォース力の削減
スリックタイヤの禁止など様々な措置がとられ、高速化するマシンに歯止めをかけられた。
もっとも、そうした規制は、80年以前にもあったが、これほど目まぐるしく
規制が設けられることはなかった。
しかし、スピードを減速するために施行されたFOCAの規制だが
その意図するところと裏腹に、マシンのスピードは速くこそなれ
遅くなることは決してなかった。
おそらく、それはタイヤメーカーの技術があればこその結果だったのではないだろうか。