高木恭造


http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070815ig15.htm

津軽半島のさびれた漁村で、古老が独りつぶやく。高木恭造さんの詩、「陽(シ)コあだネ村」(陽の当たらない村)である。「この村サ一度(イヅド)だて/陽コあだたごとあるガジヤ」◆一度もありはしない。「みんな貧ボ臭せくてナ/生臭せ体コしてナ」。家々は海にのめり、若者は村を去り、頭に若布(わかめ)の生えたような老人ばかりではないか。せがれたちはどこに消えた◆詩は結ばれている。「朝(アサマ)も昼(シルマ)もたンだ濃霧(ガス)ばりかがて/晩(バゲ)ネなれば沖(オギ)で亡者(モンジャ)泣いでセ」。暗い海が浮かぶ。作家の藤沢周平さんはテレビで朗読されるのを聴き、血が凍りついたと随筆に書いていた

読売新聞のコラム編集手帳で、
青森の偉大なる方言詩人・高木恭造氏の歌が紹介されていた。
高木恭造が全国的にどれほどの知名度か知らないが
棟方志功より高いことはないだろう。
かくいう自分もいなかっぺい氏ら主宰する「津軽弁の日」で
高木恭造という人物の名を初めて聞き
わずかながら彼と詩集の題名を知っているに過ぎない。


読売新聞に紹介された「陽コあだネ村」で検索してるみと
青森の地方紙東奥日報も今年一月に
読売新聞よりも先に藤沢周平氏のエピソードを紹介していた。


おそまきながら全文を一読して
真冬の津軽の吹雪に身がさらされた思いがした。
藤沢氏が身が凍ると表現したのも宣なるかな、である。


http://fweb.midi.co.jp/~munakata/marumero/20hiko.html