キングダム/見えざる敵


超映画批評で興味を引くようなレビューが掲載されていたので
鑑賞してきた。


親米政権でありながら
オサマ・ビンラディンなど多くの反米勢力を生み出したサウジアラビア
作品の冒頭に流れるテンポの早いドキュメンタリーは
そうした彼の国の構成が端的に表現されており
米国が何故嫌われるかが、感覚的に理解できるようになっていた。
そのため物語のプロローグたる
サウジアラビアの米国住民地区に対するテロ場面に
感情的にスムーズに移行できる。


制作者の意図としては、
サウジアラビアも米国も卑劣なテロを憎み共同で戦うというメッセージを
映像にこめたかったとのことだが
そうしたメッセージ性もさることながら
アメリカとアメリカ人のモスレムの習慣に対する無理解、誤解の構図が
うまく描かれていたと思う。



ただ、物語の展開としては、中盤のテンポが悪く
終盤のガンアクションシーンまで正直退屈さを感じた。
また、たった5日間でテロリストを見つけて襲撃したり
テロリストの弾が全くあたらない捜査官など
多少鼻白むところもあったので、
社会派ドラマとして見るには、ちとつらいが
アクションだけを楽しむなら、相応の娯楽性は備えていた。