World Trade Center

これまで、米国の怒りを本当に理解していたのだろうか。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/sankeishou/18963/

試写会を見た産経抄の作者の言葉に触れて観に行くことに決めていたが
画面からは"米国の怒り"を読み取ることができずやや肩すかしをくらった感がある。
この映画は9.11テロを題材としているが、
救助隊として向かい生き埋めとなった警官二人の救出の一部始終を
その家族を含めて描いており、
むしろヒューマンドキュメンタリーに近い印象を受けた。


この「ワールド・トレード・センター」は
これまでのオリバーストーン作品とは違い、政治的背景や仮説などの要素を一切排除して
二人の警官を軸として9.11の出来事を淡々と描いており余計な修飾は一切でてこない。
「人類はテロや戦争という愚行を繰り返しながらも、善なる行いをする」というのが、
唯一読み取ることのできるメッセージであり
スクリーンにあったのは、驚愕、恐怖、不安、生の渇望、安堵、苦しみ、悲しみ、喜びなど
人間の生の感情だけだった。


オリバーストーンをしてもここまでしか描けなかったー
前田有一の超映画批評で述べたように、
テロを総括するためには、アメリカにとって時間がまだ不足しているのかも知れない。


それにしても許すまじきは、卑劣なるテロである。


(公式サイト)
http://www.wtc-movie.jp/top.html