バッテリー

バッテリー (5) (角川文庫)バッテリー (4) (角川文庫)バッテリー 3 (角川文庫)バッテリー (2) (角川文庫)バッテリー (角川文庫)












最近映画が公開されたあさのあつこ原作の少年野球小説。
甲子園の常連監督だった祖父、病弱の弟などやや複雑な事情を抱えた中学生・巧は
中学離れした速球を投げる天才投手である。
野球が生活の全てであり、純粋に野球道を追求し
チームワークや部活の上下関係、学校の規則などを野球の場に持ち込むのを
極端に嫌がり、頑な態度を貫き周囲と軋轢を生む。
巧の球を受けるのは同級生のキャッチャーの豪だが
一本気で妥協を嫌う性格の巧をもてあますものの巧の才能に惚れ込む。
そんな不器用で不安定な時期の二人の心の機微を描いた物語。


思ったより試合の場面や野球をする場面が少なく
どちらかといえば主人公巧と周囲の関係がメインとなっており
それほど野球に興味ない人間にもとっつきやすい話になっている。
もともとは児童文学として作られているので
登場する少年のそれぞれのキャラクターをしっかり確立しているので
安心して読め進めることができる。


tacaQの好みとは違うが、こんな小説もたまにはいいかも知れない。