寒い国から来た男

1978年9月7日、ロンドンでブルガリア出身の作家ゲオルギー・マルコフが倒れ、
4日後に死亡する事件が発生した。
病院で検査した結果、
約1mmの白金-イリジウム合金の弾丸とリシンが発見、検出された。
犯人は、傘に偽装した空気銃でリシン入りの弾丸を撃ち込み暗殺したと推定。
被害者は共産政権だったブルガリアからの亡命者であることから、
KGBおよびブルガリア秘密警察の関与が囁かれた。


昨日のエントリーでロンドンにはロシアの諜報員が増えたと書いたところ
ロンドンに亡命してプーチン大統領を批判していたロシア人が
タリウム中毒というニュースを見つけた。


http://www.cnn.co.jp/world/CNN200611210019.html

毒殺未遂事件のロ元情報機関員、容体悪化で集中治療と


ロンドン??英国に亡命したロシアの情報機関、連邦保安局(FSB)の元要員アレクサンドル・リトビネンコ氏(43)の毒殺未遂事件で、ロンドンのユニバーシティー・カレッジ病院関係者は20日、同氏の容体が悪化、集中治療室へ移ったことを明らかにした。地元テレビのBBCなどは、毒物は殺鼠(さっそ)剤などに使用される「タリウム」と報じた。


(中略)


リトビネンコ氏はロシアのプーチン政権を批判する活動を展開。モスクワで先月殺害されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさん事件を調査すると共に、2004年のウクライナのビクトル・ユーシェンコ現大統領の毒殺未遂事件にロシア政府が関与しているなどと主張。
自ら所属していたFSBには、旧ソ連時代から継続するとされる毒物研究室があるとも述べていた。


2000年にリトビネンコ氏の英国亡命を支援したアレクサンダー・ゴールドファーブ氏は20日、リトビネンコ氏が毒を盛られたのは、ロシア政府に対する反体制的な言動が原因と強調している。同氏はまた、リトビネンコ氏が今月1日にロンドンのレストランでポリトコフスカヤさん事件についてイタリア人の情報提供者と会食する前、市内のホテルでロシア政府関係者2人と会ったが、この際に飲み物に毒物を入れられた可能性があるとも述べている。この疑惑はリトビネンコ氏自身が電話で漏らしたとしている。ロシア政府関係者の1人はリトビネンコ氏と顔見知りの元国家保安委員会(KGB)職員だったという。KGBは、FSBの前身の組織。


一方、ロシア大統領府のペシコフ副報道官は「リトビネンコ氏の毒殺未遂事件にロシア政府が関与するなどあり得ない。全くばかげたことだ」と反論し、事件に関してはこれ以上、コメントしないと述べた。


リトビネンコ氏の中毒がFSBによるものかどうかは知らないが
このニュースを聞いてかつてのKGBを彷彿と思い浮かべたのは
tacaQだけではあるまい。