日中友好のまぼろし


産経ニュース

ガス田協議 「尖閣で共同開発」 中国提案、政府拒否へ


【北京=野口東秀】東シナ海の石油ガス田開発をめぐる第四回日中政府間協議が七日終了した。日本外務省筋によると中国側は新たにわが国固有の領土である尖閣諸島と日韓共同大陸棚まで共同開発の対象とするよう提案した。中国は「白樺」(中国名・春暁)ガス田の開発中止にも応じず、日本側は反発を強めている。


日本の外務省関係者によると、中国側の新提案で共同開発の対象とされた尖閣諸島と日韓共同大陸棚には石油ガス田が埋蔵されているとの指摘が以前からあるが、試掘データがないため埋蔵の有無ははっきりしない。


そのため、中国側の新提案には、日本の領土である尖閣諸島まで対象に含めることで、日本政府を強く揺さぶる狙いがあるとみられる。


李肇星外相は七日、人民大会堂での記者会見で「中国の開発活動は、中日双方による争いのない中国の近海で行われている」と述べ、あくまで「白樺」「樫」(中国名・天外天)などの開発は「共同開発の対象外」とする姿勢を示唆した。

協議では、東シナ海の日中間の境界線をめぐる議論は平行線をたどった。日本側が「白樺」などの生産開始時期を含めた情報提供を求めたうえで開発中止を要求したことにも中国側は反発した。


日本側代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は協議終了後、「中国側には協力を通じて前進を図るとの意欲はあったと思うが、それが現実的な中身に反映されているかどうかは別の問題だ」と中国案の受け入れは難しいとの立場を示した。次回協議は東京で行われる。


人を喰ったというか、盗人猛々しいというか、
日本と真面目に議論する気をみじんも感じられない中国の態度である。
尖閣諸島は、歴史的に日本の領土であるのに、
それを何の根拠もなく中国の領土と言い張り、
油田を共同開発しようという厚かましさには、あきれるより他はない。


先月18日、産経新聞にワシントンで
米国のシンクタンクが開催したセミナーの記事が掲載されていた。

媚中派」主張の虚構打破」ーワシントン 古森義久


日中関係のいまの摩擦や米国の態度について、中国側の文句だけをもっぱら尊重するような日本側の媚中親中派の主張は次のようになる。
日中関係小泉純一郎首相が靖国神社を参拝するために悪化している。だがら参拝をやめると言明すれば、日中関係は改善させる。米国でもブッシュ政権の内外で靖国歴史認識での日本側への態度への批判が広まってきたむ


ところが、ワシントンでこのほど開かれた日中関係に関する討論会では、中国、日本、米国の三国代表いずれもそんな意図を完全に否定するような言明をしたのだった。親中派の主張の虚構はわかっていたとはいえ、各国の当事者たちからそれを改めて打破する議論を直接聞くのは新鮮な体験だった。
ワシントンの大手シンクタンクの「AEI」が二月十三日に開催した「中日関係の将来むと題するセミナーだった。


まず中国政府系機関の中国現代国際関係研究院日本研究所長、楊伯江氏がいまの日中関係の緊迫の原因は靖国でなく、両国間の「戦略的な衝突」だと述べたのである。
「私は小泉首相靖国参拝には反対であるが、日中関係全体では靖国にあまり重要性を感じておらず、歴史問題にもそれほど関心は覚えない。靖国は日中両国の対決あるいは象徴なのだ。両国間の緊迫はあくまで戦略的な衝突という深い背景からみなければならない。中国のGDP国内総生産)の拡大が明示する日中間のパワーバランスのシフトも緊迫の要因だ。米国の対日政策も同様に原因だろう」
楊氏はさらに日本が世界第二の経済パワーを政治化しようとしていることや、中国の台頭が明治時代以来、日本にとって初めて優位に立たれる形で進んできたことも、最近の日中関係の悪化の要因だと付け加えた。


ブッシュ政権一期目の国防総省国務省の両方で中国担当の次官補代理を務めたランディー・シュライバー氏も、中国の台頭、日本の「普通の国」としての復活、日米同盟の強化、中国軍の増強と近代化などを日中摩擦の原因としてあげた。
「表面的には靖国のように歴史にからむ課題が中国と日本とを離反させているようにみえるかもしれないが、実際には単なる神社への参拝をめぐる紛争ではなく、両国の政策の差が大きな要因なのだ。経済力、軍事力、外交面での影響力のいずれをみても、中国と日本とはほぼ同等の水準あり、ほぼ同等の場合は二国関係は安定しない。いまの対立は過去でなく将来の情勢をめぐってなのだ」


日本外務省の国際報道官、千葉明氏はチャイナスクールとしての体験や背景をもとに、そもそもいま日中関係が悪化しているとする前提自体を否定した。
日中関係全体が拡大している。日本の対中投資や対中貿易が急成長して、相互補完の構図を成してきた。人間の交流は毎年増えて、年間四百万人、姉妹都市の数は三百十三を突破したヶ
そのうえで千葉氏は小泉首相の対中謝罪や防衛費の抑制をあげて、中国側の「首相の靖国参拝は日本の軍国主義の復活の兆し」などという主張の空虚さを主張した。さらにはA級戦犯合祀が明白となったあとの大平正芳首相の繰り返しま靖国参拝と中国側の沈黙をも指摘して、中国側のいまの主張の矛盾を衝くのだった。


米国がどう対応すべきかとなると、シュライバー氏はの見解はもっと鮮烈だった。
日中関係の悪化は米国にとっても好ましい事態ではないが、米国の対応は日中両国に対して同等ではない。米国にとって日本は民主主義の共通の価値観と友好とを保つ条約上での同盟国であり、戦略的パートナーであるのに対し、中国はそうでないからだ」
シュライバー氏はさらに、米国は靖国を含む日中関係の歴史問題には介入を避けるべきだと強調し、もし介入するならば、東シナ海での日中両国の軍事衝突を防ぐというような範疇にとどまるべきだ、と説くのだった。


日本擁護のこうした見解をさらに補強するかのように司会役のダン・ブルーメンソール前国防総省中国部長が楊氏に問いかけた。
ブッシュ政権の最新の対中政策をまとめたロバート・ゼーリック国務副長官は、中国の歴史博物館の展示の偏向を引用して『中国側も時刻の歴史をきちんと認識していない』と述べたが、日本を一方的に非難できないではないか」
こうした関係者たちの現実の発言は冒頭で紹介した日本の媚中派の「情勢報告」とはあまりにも異なるのである。


(平成18年2月18日 産経新聞 緯度経度)


ちょっと日本贔屓が過ぎるような気がしないでもない。
多くのアメリカ人にとって、日中関係はさほど重要な問題ではなく
靖国を始めとする日中両政府の争点について正確な知識を持ってるのは
ごく限られた人間だけであり、
記事に引用したような知日派はあまりいないと聞いたことがある。


伝え聞くところによると、
最近アメリカの大学では日本関係の講座が減り
中国関係の講座が増えているという。
知日派が減り知中派が増える日本にとって好ましくない傾向が進むだろう。
そう遠くない日に、容易ならざる事態に直面するかも知れない。
例えば、今はされほど注目されていないが
媚中嫌日派のサンプルともいうべき文章をニューヨークタイムズ
書いているオオニシ某的な人物が増殖し、
それか鵜呑みにされるという状況である。


油田に限らず、これから日本の外交は
あらゆる面において中国と対決が余儀なくされる。
日中友好のおためごかしで先延ばしが許される時期はとう過ぎ
今はまったなしのところまで来ているだと思う。








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