チーフスvsレイダーズ


それぞれの局面局面では負けていないし、
選手個々の能力もヒケをとらないのだが
トータルしてみるとなぜか負けている。
WRにモスが、RBにジョーダンが加わったオフェンスは
昨年より大幅に攻撃力が向上し、破壊力が増したのだが
そのオフェンスが肝心要のところで機能しない。
QBコリンズのプレーにムラがあるのもその理由のひとつだが
チーム全体として集中力が不足しているように思える。


例えば、チーフスは、試合開始早々、レイダーズのリターナー・カーの落球から
得たチャンスにタイムアウトを2回使い、2度の4thダウンギャンブルを成功させている。
チーフスのヘッドコーチ・ヴァミールは前半のここを勝負のポイントと捉え
7点を奪いにきて、確実にこれを成功させている。
以降、この試合でレイダーズは同点に追いつくことはあっても、
スコアをひっくり返しリードを奪うことはできなかった。
モメンタムというほど大きな流れがチーフスにあったわけではないが
このリードによってチーフスは、アウェイのプレッシャーが軽くなり
自分達のペースで試合を進めていた。


3Q早々にモスの快走でレイダーズは同点に追いつき、
スタジアムの雰囲気も俄然盛り上り、イケイケの状態になった。
その影響からか、チーフスは後半はミスや反則を繰り返したのだが
レイダーズは、それを生かすことができなかった。
特に4Qのリバースプレーがホールディングで取り消されたのは
これが大きなゲインをしていただけに痛かったが
問題はこのホールディングの反則より、その後のプレーにあったと思う。
この直後、オフェンスは簡単にパントに追い込まれ、攻撃を放棄してしまった。
確かに厳しいシチュエーションであったが、やり方次第では進めようがあった筈だ。
ビックプレーが失敗したら、あとはお手上げという無策ぶりもさることながら
彼らのプレーからミスをリカバーしよとする意思を感じなかったのが問題である。
多分、ここに今のレイダーズが勝ちきれない理由が集約されているのだと思う。
例えば、ペイトリオッツであれば、このシチュエーションでも
勝負所であれば、確実に前進を刻み、1stダウンをしぶとくとっているはずだ。
少なくても簡単にあきらめるようなことはしないだろう。それゆえ、パッツは強い。


前半間際のジョーダンのTDが反則で取り消されたが、
やはりこの後も簡単に攻撃が終了している。
反則が多いことも得点が思うように伸びない原因だが
その反則をリカバーしようとする意思がなく、一発に勝負をかけて
それが駄目になると投げ出すような雰囲気が非常に気がかりである。



勝ち方を忘れた不良なんて洒落にならへんど。