コルツは何故負けたか


AFCディビジョナルプレーオフ第2戦INDvsSDの試合は
アウェイであったSDチャージャーズの逆転勝ちに終わった。
INDの勝利を予想していた者としてこの結果は意外であった。
なぜなら、コルツはスーパーボウルに勝利した昨年より
やや戦力がダウンした観は否めないが、
それでもAFCにおいてレギュラーシーズン勝率第2位で通過し
バイウィーク(1週明け)のホームゲームでプレイオフに進出を決めていたからだ。


実際にホームであるRCAドームでプレイできるメリットは大きく
チャージャーズのオフェンスは、プレーを開始するカウントが伝わらず
何度もフォルススタートの反則を繰り返しては、窮地に陥っていた。
それに加えてエースRBであるトムリンソンとQBのリバースが
試合中に負傷して退場するという圧倒的に有利な状況が生まれた。
言わばSDは飛車角行落ちのような状態に陥ったにも関わらず
コルツは勝利の凱歌をあげることができなかった。


チームのスタッツを見れば、オフェンスの3つの攻撃権喪失ターンオーバー
411ヤードを喪失したディフェンスが目立つが
GAORAでこの試合を解説した河口正史が指摘したとおり
チャージャーズのディフェンスが何よりも素晴らしかった。
ミドルゾーンでパスを通されてもTDを簡単に許さない守備、
ブリッツを入れてQBにプレッシャーを与えるのではなく
レーシーバーをマークしてパスレシーブ後の
ラン・アフター・キャッチを許さない姿勢を
最後まで貫けたことが大きかったと思う。


時折、ビックプレーでロングゲイン、TDを許すものの
1Q以降、ゴールライン近くのレッドゾーンでは
QBマニングのパスを読み切り、やすやすと前進を許さなかった。
逆に言えば、コルツはでかい一発に賭けるより他はなく
マニングは、タイムコントロールをできない以前のパスマシーンになっていたし
成らざるを得なかった。


また、SDはディフェンスだけでなく攻撃陣もよく機能していた。
とくにリバースの負傷で登場したQBボレックがいい仕事をした。
レギュラーであるRBとQBを欠いても、4Qに再逆転できたのは
当たり前のことであるがコルツのディフェンスの弱点
的確に衝いたからであり、そうした攻撃を可能にせしめたのは、
ヘッドコーチ、オフェンスコーディネーターの力量もさることながら
この試合のために相当の準備をしていたからだろう。


AFCの決勝は、レギュラーシーズン全勝のNEペイトリオッツ
SDチャージャーズの対戦であり
チームの実力から言えば、NEの勝利が順当だが
SDには勝利に対する飽くなき執念のようなものを感じる。
相当に面白いゲームになりそうだ。