ブルータス、お前もか。

黙とう:甲子園で広島代表校が提案、高野連が制止

黙とう:甲子園で広島代表校が提案、高野連が制止


第87回全国高校野球選手権大会に出場する広島代表の高陽東が、6日午前8時15分の原爆投下時刻を前に、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、開会式に備えて集合した他の48チームの選手たちに黙とうを提案しようとしたところ、日本高校野球連盟の関係者に止められ、同校ナインだけで黙とうした。学校側は前日までに大会本部などの了承を得ていたという。
関係者によると、当初は同校の工藤真司主将(3年)が「被爆地の高校生として、ピカドンで亡くなられた多くの人々の冥福を祈り、二度と過ちを繰り返さないことを誓います」と宣言し、他の選手たちにも黙とうを呼びかける予定だった。
しかし、メッセージを伝えようとしたところ、高野連田名部和裕参事が「原爆は広島だけのこと。この場でみんなを巻き込むのは良くない」と制した。同校ナインは列を外れ、広島の方角に向かって自分たちだけで黙とうしたという。選手の一人は「他府県の選手にも被爆の悲惨さなどを知ってもらおうと考えたのに、悲しい」とがっかりしていた。
田名部参事は「広島のことも長崎のことも含めて、大会行事として(終戦記念日の)8月15日正午に黙とうしており、原爆の日の黙とうを全体の行事とするわけにはいかない。今日の黙とうは1校でやるものと思って許可した。今朝、朝日新聞から全校に黙とうを呼びかけたいとの意向が伝えられたが、私が主将に話して1校で黙とうすることを納得してもらったと考えている」と話した。
朝日新聞社の松本督(すすむ)・広報宣伝センター長は「高陽東の意向を高野連に伝えたのは本社企画事業部員だ。しかし、本社は高野連が全体行事としての黙とうを認めなかったことについては意見が一致している」と話した。【横山三加子、平川哲也】

すでに当該記事は削除されてしまったため、Googleのキャッシュを。


この記事に基づいてこんな香ばしい解説(?)もされているようだ。

「原爆は広島だけのこと」に見えてくる「新しい歴史観」の静かな拡大


筆者は、この出来事を見て、過去の戦争を何とか忘れさせようという「新しい歴史観プロパガンダ」が、21世紀になって成果を見せ始めてきているという恐ろしさを感じる。
その一環として、「新しい歴史教科書」は、先日、栃木県大田原市で採択になった。昨日(8月4日)は東京杉並区での採択について、同区教育委員会と採択反対派そして賛成派の間で、大揉めになっているのをテレビのニュースで知った。日本各地で同じようなことが起きている。この「新しい歴史教科書」と「原爆は広島だけのこと」とは、無関係ではないのだ。
この「新しい歴史教科書」は、事実上、“めくらまし”の役割を果しているのではないか。そこばかりにマスコミと国民の注目が集中し、他の見えない所で、歪められた教育指針を打ち出し、一部の指導者はその指針にそって、「改悪」を着々と進めているのではないかという疑念さえ感じる。
テレビや新聞で、大きく取り上げられれば、それだけ見えない所では動きやすい。政府のスポークスマン化した、今の日本のマスコミは従順にもその役目を果たしている。いや、もっと進めている可能性すらあると、恐ろしい気にもなる。
旭川にある「北の靖国」といわれている北海道護国神社で、カウスボーイが「同期の桜」を歌わせられているのがいい例だろう。これと似たことは、全国を探せばかなりあるのではと思う。
着々と進められてきた「新しい歴史観プロパガンダ」が、早くもこういう形で日本中の注目を浴びる全国高校野球選手権大会の場で、予想を裏切って発揮されてしまったのではないだろうか。

カウスボーイって何だ?
ボーイスカウトのことか?だとすれば元々軍事教練を教えるために発足したのだから、
同期の桜くらい歌っていいんじゃないか?
それにしても、原爆と旭川と新しい教科書を結びつける想像力は素晴らしい。
保守右翼思想で凝り固まったtacaQでは、決して生まれない発想である。


横道にそれたが、元記事の"高野連が制止云々"は、毎日のトバシ。


http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050808i416.htm

甲子園黙とう問題の報道で「不備」、毎日新聞もおわび


6日に行われた全国高校野球選手権大会の開会式前に、広島代表の高陽東高ナインが原爆犠牲者を悼む黙とうをした際、他の代表校の選手に呼びかけようとして大会役員に制止された問題で、毎日新聞大阪本社代表室は8日、「6日夕刊に掲載した記事に取材上の不備があり、9日付朝刊で『おわび』を掲載する」と発表した。
同室によると、毎日新聞は、6日夕刊でこの問題を報じた際、日本高野連役員が「原爆は広島だけのこと。みんなを巻き込むのはよくない」と述べたとした。
しかし、高野連からの抗議を受けて確認したところ、このような発言はなく、8日、同社の出口正作代表が日本高野連脇村春夫会長に謝罪した。
(2005年8月8日23時49分 読売新聞)

事実をねじ曲げて報道するのは、A新聞の十八番かと思っていたが
事実無根の記事をでっち上げるとは、毎日も隅に置けないな。