アメリカにおもねるために、原爆に対する憎しみを口にしない者は世界平和に背を向ける卑怯者だ
文藝春秋に、NHKの大河ドラマ「いだてん」の
主人公・田畑政治に関する記事が掲載されていた。
戦後の東京オリンピックの招致に成功して
自分で敷いたレールを突っ走って
オリンピック成功を目指していた田畑は
これまた自分の失言でオリンピックから
身をひくことを余儀なくされる。
しかし、それでも彼は、聖火リレーの最終走者に
早稲田大の陸上選手・坂井義則を推し、
これを認めさせる。
広島出身で、父親が被爆者、彼の誕生日は
原爆投下当日の昭和20年8月6日。
彼を起用する意図は明白であり、
アメリカの機嫌を損ねることを
懸念する内外の声に
田畑が、放ったとされる一言に
胸のすく感動を覚えた。
ドラマでは、喋り捲るお調子者というキャラで
テンポのいい軽妙なセリフを
心地よく響かせているが、記事によると
実際の性格もそんな感じであったことが
読み取れる。
はたから見ると、喋り好きの水泳バカとしか
形容の仕様がない人物だが
その熱とひたむきさゆえに周囲を動かし
日本の心意気を示すことができたのであろう。
彼が日本にいてくれたことは
日本国の幸い以外の何物でもない。