週末から3試合ほどNFLの試合を見たが、
どの試合もスリリングな展開が溢れ見応えのあるゲームだった。
特に、CARパンサーズvsATLファルコンズは、
ファイナルスポーツの醍醐味である頭脳戦を十分に堪能することができた。


1Q、攻撃が、全く進まず後手に回ったパンサーズは
パスプロテクションを厚くして、アトランタのラッシュからQBデロームを守り、
パス主体の攻撃でアトランタを攻め立てるプランを採用する。
時折、中央インサイドへのランを絡めるという伏線を張りながらである。
アトランタのフロント4のうち中2枚は軽量であり、
ここを押されるとアトランタはカロライナのランプレーを止めることができない。
否応なくアトランタのLBはランプレーに関わらざるを得なくなり、
位置も自然とスクリメージラインに近くなるのだが
そこを狙いすましてQBデロームは次々とパスをLBの裏へ成功ヒットさせる。
アトランタの防御の弱点を的確に衝きながら攻撃するカロライナは
見た目の激しさや華やかさとは裏腹に緻密な頭脳戦を仕掛けた。


一方、アトランタは、アスレチックQBヴィックをもってしても点の取り合いは不利と見て
後半RBダンのランニングプレーでポールコントロールオフェンスで対抗する。
アトラタンは途中までこの作戦を成功させたのだが
ヴィックの不用意なパスとカロライナのDEペッパーのスーパープレーで
モメンタムをパンサーズに奪われてしまう。
これは、カロライナがベンチワークにおいてアトランタを凌駕した必然の結果と
云えるかも知れないが
そのカロライナは二つの誤算によって、九分九厘握った筈の勝ち星を逃してしまう。
4Q最後の攻撃で、アトランタ観衆の声援ノイズによって
フォールスタートを犯して、最後の攻撃をフイにしてしまったことと
オーバータイムに入ってからのオフェスンの作戦ミススミコールである。
オーバータイムで投げたQBでロームのロングパスがインターセプトされ
自陣深くまでリターンされたことが致命傷となってカロライナは敗れたのだが
このプレーの選択は明かにミスであった。
直前のプレーで失敗に終わったものの、
ロームはディープゾーンにパスを投げ込んでおり
アトランタのディープ陣は、明らかに一発を警戒していた。
そこへWRをポストパターンに走らせる長いパスプのレーを
カロライナのサイドラインは命令コールしたのだ。
短いパスであれば十分に通ったであろうに、何故勝負を急いでロングを投げさせたのか、
頭脳的な展開をしていたカロライナにしては理解に苦しむプレーの選択だった。
あるいは、先のフォールスタート同様、
アトランタの観衆のプレッシャーに気圧されたミスだったのかも知れない。
だったすれば、この試合の勝者ヒーローは、ヴィックでもダンでもなく
アトランタのファンと云えるだろう。


カロライナは、この一敗によって、プレーオフ戦線進出は微妙になった。
だが、彼らのプレーのクォリテイーは、
昨年の奇跡をもう一度起こしうるレベルにあると思う。


以上、頭は外側だけを使った頭脳的フットボーラーの独り言である。