マイケル・ヴィック


去年、NFLで一番ユニフォームのレプリカが
売れていたと聞いたことがある。
はっきり云って、QBとしては贔屓目に見て並程度なのだが
高い身体能力から繰り出すアクロバティックなランは凄い。
あまつさえ今年は、カレッジでしかやらないオプションプレーを
ATLファルコンズは導入した。


衝撃がカレッジの比ではないNFLではQBを保護するために、
オプションプレーは使わないのがセオリーなのだが
そのセオリーをファルコンズは無視して、
攻撃のシステムとして取り入れたのである。
マイケルの能力(走力)を最大限に生かすために、といえば聞こえがいいが
裏を返せば、ファルコンズはヴィックのパス能力を見限ったということだ。
安定した勝ち星は計算できないが、
人気もあり、高給取りのQBをベンチに置いておく訳にはいかない、というのは
多少斜に構えた意見かも知れないが、
勝つためにはなりふり構って居られないと云うところだろう。


今期は序盤戦に、パスで勝利をもぎ取った試合もいくつかあった。
ランを警戒していた相手が裏を漬かれた結果か、
それともパッサーとしての能力が開花したのかは分からない。
後者でなければ、今年のシーズン、ファルコンズ
プレーオフ戦線に絡むことはない。
三連敗を喫したATLとマイケルがこの後、
立て直せるかどうかにここ数年のチームの命運が
かかっている様な気がする。