横須賀でニヤケ君と飲んだ土砂降りの夜を越えたら、快晴の日曜が待っていた。
青々とした空にすがすがしい気分で電車に乗り込んだものの、
久々の京浜急行は、体力の衰えたtacaQにとって厳しかった。
発車して5分で京急特有の揺れで気分が悪くなり、途中下車を余儀なくされた。
おかげで味の素スタジアムに到着した時は、試合開始直前だった。


味スタに到着してレオナルドさんと連絡とって中大が陣取るメインスタンドに着席し
レオナルドさんとアニマ(かおり)さんとともに応援を開始した。
戦前の予想では、6-4で法政有利とみていたが
試合開始直後の立ち上がりは互角の展開だった。
中央のオーバーペースが気になったが、ひょっとしたという気になったので
レオナルドさんに「甲子園ボウル出場が決まったら、関西に行きますか?」と訊ねた。
しかし、長年中大ラクーンズを見守り続けてきたレオナルドさんの解答は明快だった。
「甲子園に行けたらいいけど、難しいでしょう」
あにはからんや、中大のディフエンス陣はオーバーペースがたたり、徐々に押し込まれて、
オフェンスは手詰まりとなって、法政優位で試合が進むようになった。


準決勝を見た限り中央のQB井ケ田は、肩は普通だが状況判断に優れたQBである。
ディフエンスのラッシュにあっても慌てず、
スクランブルするなりパスを投げ捨てるなりと、
1年生らしからぬクレバーさが印象に残った。
この日も彼は、堅実なプレーを選択して法政に挑むのだが
それだけで通用する法政は甘くはなかった。
おそらく、得点力の劣る中大としては、ロースコアゲームに持ち込んでというシナリオを
考えて成沢や宮古のランニングプレーを中心に組み立てたのであろうが
その攻撃は、第三者からみてもにもあからさま過ぎた。
捨てパスでもいいから、長いロングを1本放り込んでおけば、
セカンダリーもスクリメージライン付近には迂闊に近づき難くなるのだが
そうしなかったばっかり、セカンダリーがスクリメージラインに近いとろこに位置されてしまい
ショートパスでゲインすることも難しくなり、結果として攻撃の幅を狭くしてしまった。


一方法政は、ショットガンからの攻撃が中央相手に効果が薄いとみると
準決勝では殆どみせなかったIフォーメーションからのオプションプレーを
中心に攻撃を切り替える。
これによつて中央のディフェンスは対応しきれず、徐々に崩される。
ショートにミドルにパスを通されては、オプションで走られ
中央のディフエンスは、後手に回ってしまい防戦一方の展開となってしまった。


プレーの選択や試合の駆け引きもさることながら、
が中央と法政の際だった違いは、オフェンスのブロックにあった。
ブリッツに入った中央のディフェンスを法政RBが捨て身でカットブロックしたり、
WRも執拗にDBをブロックしてRBの走路を確保したりと
オープンでも、ショートパスでもきっちりブロックしてくる法政のオフェンスは
RBの個人技だけでゲインを稼いだ中央大と対照的であった。
中央大が、最後に奪ったTDを来年につなげるためには、
この点を修正できるかどうかに掛かっている、とヘボ大出身の元フットボーラーは思う。