The party ended.


アメリカ人の半分が視ると云われているSuperBowl。
AFCからは2年連続となるニューイングランド・ペイトリオッツ
NFCから二十数年ぶりのフィアデルフィア・イーグルスの顔合わせとなった。
イーグルスは、過去3年連続でカンファレンスファナルで涙を飲んでおり
QBドノバン・マクナブにとっては、三度目ならぬ四度目の正直で
掴んだ大舞台である。
アメリカに判官びいきという言葉があるかどうか知らないが
おそらくNEファン以外は"悲劇のQB"マクナブに肩入れしていたのではなかろうか。
中立の地で行われている筈のスーパーボウルなのにテレビ中継を見る限りでは、
圧倒的にイーグルスの声援が大きかったように思える。


試合の方は、劣勢が予想されていたイーグルスが先制した後
イーグルスディフェンスの前に沈黙していたブレディが2Qに目覚め
1度ゴール前でファンブルしチャンスを潰したものの
攻撃を着実に進め、得点を積み上げ試合をものにした。
最終的なスコアこそ24-21で接戦クロスゲームに見えるが
その実、パッツが支配していたゲームではなかったかと思う。


パッツのディフェンスは3本のタッチダウンを奪われたものの
完璧にマクナブから繰り出される攻撃を読み切っていた。
例えば、フィアデルフィアに最初に訪れたチャンスの際
パッツのインターセプトが反則で取り消されてしまう場面があった。
ここで誰もがイーグルスの先制を予想したことだと思う。
タッチダウンを奪えなかったとしてもフィールドゴールで3点を狙うには
さほど難しくない位置までイーグルスは前進していたのである。
にも関わらず、マクナブのパスは再びインターセプトされてしまい
イーグルスは先制のチャンスを潰してしまう、
いやパッツによって潰えさせられたというのが正確だろう。
ビッグプレーや反則の後、気落ちしたりチームの統制が混乱することが多く
攻撃側は一発タッチダウンを狙うというのが定石セオリーだが
その定石がパッツには通用しなかった。
確証はないが、パッツは特定のレシーバーをフリーにして
パスを呼び込ませたのではないだろうか。
少なくてもパスをインターセプトしたハリソンはそれを狙っていたように思える。


パッツのディフェンスも途中、選手が負傷退場などて交代し
混乱して失点する場面もあるにはあったが、
それですら"予定"の範囲内では、なかっただろうか。
どんなに出されようと、止めるべきところでは止めてやるといった
士気の高さをパッツのプレーから感じた。
通常ならば、力の劣るチームにも流れが掴むチャンスが何度かあるのだが、
今年の試合はそういう勝負のあやを見ることはできなかった。
イーグルス敗因を強いて上げるなら、マクナブのパス不調でも
オーエンスがケガで全力で走れなかったことでも
エストブルックのランが出なかったことでなく
相手の監督がベリチックだったというのが、率直な感想である。