ゲーム理論

生存者の帰国を要求 実行犯の引き渡しも 日朝が拉致問題を協議(中日新聞)

【北京5日共同】日本と北朝鮮は政府間協議2日目の5日、北京市内のホテルで拉致問題に関する協議を行った。日本は拉致問題の具体的進展を目指して生存者の帰国や、拉致実行犯とされる北朝鮮工作員辛光洙(シングァンス)容疑者らの引き渡しなどを要求したとみられる。


 拉致協議の日本代表を務める梅田邦夫外務省アジア大洋州局参事官は同日朝、記者団に対し「拉致問題はわが国にとって最大の関心事であり、誠実かつ具体的な措置を求めたい。(北朝鮮の)話を聞いて反論すべきは反論したい」と強調した。


 北朝鮮代表の金哲虎(キムチョルホ)外務省アジア局副局長は「拉致問題解決に対する互いの立場には大きな差がある。きょうの協議でわれわれの原則的見解を明らかにし、日本の立場を聞く」と述べた。


 協議は昼の休憩を挟んで午前、午後に分けて開かれ、日本側は、政府認定の拉致被害者について(1)安否不明の11人の再調査と生存者の早期帰国(2)真相究明(3)容疑者の引き渡し?を重ねて要請。拉致された疑いが濃い「特定失踪(しっそう)者」34人についても情報提供を求め、タイ人女性の拉致疑惑も提起したもようだ。


 北朝鮮は「拉致問題は解決済み」との基本姿勢を主張した上で、拉致被害者横田めぐみさんのものとして提出した「遺骨」を別人と判断した日本のDNA鑑定についてあらためて批判、鑑定結果を検証する協議会設置などを求めたとみられる。

日朝の交渉が始まり、外相も保守的な見識のある人物である*1ことから
拉致問題も解決に進むかとやや楽観的に観測していたが
どうやら、日本側の事情で一筋縄で行きそうにない塩梅である。
Dr. マッコイ経由で知った情報だが



情報戦: 荒木和博BLOG

■NHKニュースで報道された帰国者の証言について


荒木和博


 先程NHKニュースで蓮池さん、地村さんからの情報として、彼らの拉致に辛光洙や西新井事件に登場する朴などの工作員が関わっていたとの報道がなされました。

 彼らがいつ、どう話したのかはぼかしてありましたので、詳しくは分かりませんが、一寸気になったので感じたことを書いておきたいと思います。本来なら本人たちに確認すべきところですが、私が聞いても話してはくれないと思いますので、以下は乏しい情報をもとにした私の直感に過ぎないことを予め申しあげておきます。

 ニュースを見て感じたのは、辛光洙と朴では、あまりにも役者が揃い過ぎているのではないかということです。だからといって証言を否定する材料にはならないのですが、それなら何で今ごろ話が出てきたのかということが気になります。


(中略)


拉致と国交問題を分離して日朝交渉を行う方式が決ったこと、西村議員が逮捕され、保釈直後にこの情報が出たこと、さらに古川さんの認定訴訟での政府側の時間稼ぎなど、色々なことをつなぎあわせてみると、犯人を今名前の出ている人間だけに限定し、何らかの落し所を設定して、一気に国交正常化への道筋を付けてしまうというシナリオが日朝両国の間でできているのではないでしょうか。年末年始は急な事態には対応がしにくく、気がついたらすべてお膳立てができていたということになる可能性もないとは言えません。


tacaQなりに解釈すると
最近拉致問題関係で辛光洙横田めぐみさん関係のニュースが流れているが
それらは拉致被害者であった地村さん夫妻や曽我さんらが情報源ソースではなく
官邸周辺から出されている可能性がある。
これは他の拉致問題が表面化されるのを防ぐために
今回の日朝交渉によって、それら関係者に日本に引き渡すことによって
この問題に幕をひいて日朝正常化に突き進むための情報操作である疑いがある、
ということである。


小泉首相という人物は、何を考えているか感情が読みにくいという話を聞くが
彼の行動は、意外なほど簡明である。
多少の語弊を恐れずに云えば彼は基本的に"ヤクザ"なのである。
やられたらやり返す。味方には手厚いが、敵には徹底して容赦がない。


郵政大臣の確執から始まった郵政改革はもとより
自民党総裁戦で橋本派によって味あわされた屈辱を晴らすため
橋本元総理の票田である日本遺族会を狙っての靖国参拝公約及び実行
同総裁選で同じ派閥の領袖でありながら、橋本派についた亀井への仕打ち
靖国参拝を巡って、中国側の面子を考えて終戦記念日を避けたが
なおも批判をやめない中国とその手引きをしたとされる加藤宏一への対応
郵政法案成立のため中曽根元首相に協力を申し込んだが断られ
その後発表になった自民党憲法改憲草案から中曽根色排除など
彼の反目に回った人物や団体は小泉の政策や方針によって
ことごとく憂き目を見ている。
改革断行という美名のもとに隠れて見えにくいところがあるが
彼の行動はやられたらやり返すという非常に簡明な行動をとっているのが判る。


その論理から外れているのが北朝鮮問題と皇室典範改正問題なのだが、
これもそう難しい理由があるとは思えない。
先日の首相自身による
愛子様の子供が即位されることを反対することになるのを判っているのか」
といった発言からも推測できるが彼に深い考えがあって、
この問題に取り組んでいるわけではない。少なくても私はそう見ている。
私が思うに彼は、名誉や功名心のためにこの問題を扱っているのではないだろうか。
平壌宣言を実質破棄した北朝鮮への対応や
皇室典範改正に反対する議員へ対する憤慨ぶりも、そう仮定すれば合点がいく。


作家の塩野七生女史は、古代ローマの英雄ジュリアス・シーザー
人よりよく思われたい虚栄心より自分の欲望を満たす野心が大きい男と
評している。
その言葉を借りるなら、小泉純一郎氏も野心的な人物となるだろう。
ただし、シーザーは国民の幸せに直結する虚栄心も同時代のどの政治家より
大きくもっていたと塩野氏は見立てている。
彼にも同時代の日本の政治家並に虚栄心はあるかもしれないが
その虚栄心は、少なくても拉致被害者の家族の幸せに繋がることはない。





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*1:口と顔つきが悪いのはご愛敬