一瞬の夏


ここしばらくいい天気が続いている。
青い空を4日続けてみたのは、半年くらい前のことだっただろうか。
半年の間、快晴が続けてなかったので
当然夏が暑かったという記憶もない。
そういう夏は、気の抜けたサイダーに似ていて、どこか寂しくどこか味気ない。



最近、アリスの往年の名曲「チャンピオン」は、
カシアス内藤がモデルだということを知った*1
彼は、ボクシングの東洋太平洋の元チャンピオンであり
ノンフィクションライター沢木耕太郎が描いた「クレイなれなかった男」「一瞬の夏」等でも
知られる人物である。


曲が生まれたきっかけは、谷村新司と沢木の対談だったらしい。
谷村は、その対談によって、カシアス内藤の存在を知り、詩を書き上げたということだ。
大きな成功の裏には、意外な偶然がときたま顔を覗かせている。
運命のいたずらと呼ぶより、必然の出会いというべきかも知れない。


そのカシアス内藤だが、2年前くらいの前の記事によると、
tacaQの母校・横須賀体育大学で
週に何日かボクシングのコーチをしているそうだ。
名トレーナー・エディタウンゼントを目指しているわけではないだろうが
ひょっとしたら、私の後輩を世界チャンピオンに育てることを夢見ているかも知れない。


人は、身の焦げるような暑い夏に苦しみながらも、
秋になれば、その暑さが恋しくてたまらなくなる。
運命がいたずらしてもジェリーライス*2になれなかったであろうtacaQですら
そう感じるのだから、
トップを経験したアスリートならば、なおさらだろう。


そして音楽が始まる―名曲に隠された感動のドキュメント (Marble books)

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一瞬の夏 (上) (新潮文庫)

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敗れざる者たち (文春文庫)

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*1:「そして音楽が始まる」テレビ東京番組。ISBN参照

*2:NFL選手。TD数などのリーグ記録を持つNFLを代表するレシーバー。SF時代はスパーボウル優勝を経験している。