ホンダの道


提携を約束したロータスの一方的な破棄に対し
「ホンダはホンダの道を行く」を宣言して
始まったホンダのF1挑戦。
市販の四輪車販売も浅く
ヨーロッパ四輪レースの経験も乏しいままに
臨んだ戦いは試行錯誤というより
失敗の連続だった。
それでも彼らは飽くなき努力を続け
撤退する5年間の間に2勝をあげる。


本田技術研究所を立ち上げた本田宗一郎
彼と彼の会社を立ち塞いだ数々の問題に対して
政治力を使った工作や解決を他人に委ねることなく
技術力で打ち破ることを宣言し、実行したという。

スマートになったと感じる最近のホンダだが
先週見つけた日経の記事に
宗一郎を思い起こさせる言葉に
ちょっと血が騒ぐ思いがした。





ホンダF1、復帰戦0勝からの「生きざま」 :日本経済新聞

――シーズン中はマクラーレンとの意見対立を指摘する報道も目立ちました。

■ホンダのフィロソフィーは違う

 「技術的なデータをもとに問題について、お互いに納得するまで議論する。もちろん和気あいあいではないが、対立ではない。夏ごろに『(開発の)リソースは足りているのか』『なぜ自分たちだけでやるんだ』と言われ、外部人材の活用も求められた。欧州では人材の流動は激しいから、この意見は当たり前。だがホンダのフィロソフィーは違うと説明した。人が育つことが重要なこと。外部の技術者が3カ月とか半年だけいても困るし、チームとしてホンダの文化を理解するのに数カ月かかりますでは余計に時間がかかる。マクラーレンとの異文化の中での共同作業はおもしろく、ホンダの哲学をだいぶ理解してきてもらっている」


――結果が出なければブランドの価値が下がるリスクもあります。16年に勝利を得る自信について。

 「15年はトップチームとのギャップが数値だけでなく、レース展開も含めて理解した1年だった。困難な中でマクラーレン、ドライバーとのチームワークはさらに強固になった。競争なので、能天気なことは言えないが、自分たちがレースをすることでいっぱいいっぱいだった1年目からは大きく成長し、技術のギャップも具体的に理解できた。当然、1勝したい。ただ15年は予選段階でトップ10に入らず、一度も予選3回戦に入っていない。だから現実的に16年はまず早く予選3回戦を通過することが重要。そうすれば自然とポイント獲得、表彰台が見えてくる。早くファンや関係者の期待に応えたいし、早く表彰台にという希望はある。15年シーズンにできなかった技術的な課題を解決し、信頼性も含めて開幕戦に挑みたい」