桃太郎と傭兵と侵略


日本人の(アイヌ語で言えばシャモの)心性を最もよく
表現している物語はなにか。

ぼくはそれは「桃太郎」だと思う。

あれは一方的な征伐の話だ。

鬼は最初から鬼と規定されているのであって、
桃太郎一族に害をなしたわけではない。

しかも桃太郎と一緒に行くのは友人でも同志でもなくて、
黍団子というあやしげな給料で雇われた傭兵なのだ。

更に言えば、彼らはすべて士官である桃太郎よりも
劣る人間以下の兵卒として
(チャランケを試みることでキツネが人間と同等の
資格を付与されたことと対照的に)、
動物という限定的な身分を与えられている。

彼らは鬼が島を攻撃し、征服し、略奪して戻る。
この話には侵略戦争の思想以外のものは何もない。

http://www.sankei.com/life/print/141025/lif1410250016-c.html;title

土曜の産経新聞に掲載されていたヤンキー先生
コラムを読んで吹き出した。
「桃太郎が日本人の侵略思想を表している」という
池澤直樹の文章が高校の教科書に採用されているというのだ。


左や左巻き、その自覚がないまま
国や体制、権威や伝統に反発して俺って格好いい
という連中が何をしゃべろうが、発表するのは
基本的に法律に触れなければかまわないのだが
触れなければ何をやっていいというものではない。
というか、日本人の良識と知性の一片も
感じないような文章を教科書に採用して
もらいたくはない。


美しいものを美しくー
楽しいものを楽しく感じるのは
学習が足りないゆえの
知的怠惰とでもいうのだろうか。
人々の心動かすような文章も物語も書けず
世間一般のスタンダードを作る才覚もなく
訓話や先人の思いをねじ曲げて解釈し
他人の労苦を貶めたり、素直な感情を小馬鹿にして
格好つけるインテリよりは
派出所でも読んで笑ってネトウヨと呼ばれた方が
健康的ではないかと思う。