弱い者達が夕暮れさらに弱い者をたたく


http://sankei.jp.msn.com/region/news/130918/myg13091802160000-n1.htm

日和幼稚園訴訟 原告勝訴 娘の死「後世の教訓に」 宮城
2013.9.18 02:16

 ■真実追及実り遺族ら涙

 わが子の遺影を胸に、大粒の涙をこぼす遺族たち−。東日本大震災津波石巻市の私立和(ひより)幼稚園の園児5人が死亡し、遺族が園側に賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は17日、園側の過失を認めた。「真実が知りたい」と提訴し、闘い続けた2年。「お母さんたち頑張ったよ」「もう一度(防災)マニュアルの見直しを」。判決後の会見で、遺族らは目に涙をためて判決を喜び、最愛のわが子の犠牲を次世代への教訓にするように訴えた。

最初この話題に触れたとき、裁判を起こす理由が分からなかった。
未曾有とも言える震災を体験し、恐怖と混乱の中で
"正しく"行動できる者がいるのだろうか、と。
子供を亡くした痛みは、余人には計り知れない大きなものだろうが
その責任を幼稚園に転嫁しても失った命はかえってこない。
ーそう考えていたが、どうやら込み入った事情のようだ。


日和幼稚園バス 津波の悲劇・石巻

状況を集約すると
地震発生時のマニュアルに反して、子供らを送迎バスで帰宅させた。
途中、職員がバスに追いつき津波警報が出ていることを運転手に知らせた。
しかし、園児を下車させず、そのまま乗車させた。
高台へと移動中、津波に遭遇。運転手は気を失い、車外へ。
バスは瓦礫に埋まり、幼児が車内に取り残される。
運転手は幼稚園に戻り、園長に報告。
園長はバスの遭難現場付近までいったが、何もできず引き返した。
被災から10時間後、火がバスに及び園児が焼死。
遺族が、説明を求めるも園長の態度に誠意がないと訴訟。


園長の能力の低さが記事から伝わり
遺族が怒るのも無理はないが、
彼らに「後世の教訓に」といわれると
やはりどこか引っかかってしまう。



小学校や幼稚園など子供を扱う機関の
被災対処マニュアルが整備され、徹底される契機となれば、
この訴訟に価値を見出すことができるが
いずれにせよ、失った園児は帰ってこない。
悲惨な震災における悲しい結末のやるせないニュースだ。