毎日かあさん


漫画家、西原理恵子が自身の家庭の出来事を
面白おかしく綴った漫画を映画化した作品。
小泉今日子永瀬正敏の離婚した夫婦が
離婚する夫婦を演じるということで
その制作発表当時、
キャスティングにツッコミを入れたくなった。


映画は、離婚やアルコール中毒
癌との闘病といった重い話題を扱いながらも
愛らしくも笑える原作のネタを
ふりまき笑いとりながら、軽快なテンポで進む。


それにしても小泉今日子のキャスティングは
アタリだった。
彼女の演技がさして上手かったというわけではないが
暗く湿りがちな物語にも関わらず
映画全体の印象が明るく感じるのは
彼女のもつ華やかさ故だろう。


実生活でも結婚と離婚を体験した彼女だからこそ
観客は明るい振る舞いの中に、人生の切なさと楽しさを
感じ取れるのではないだろうか。


幼い頃、海の沖に亡くなった人が待っていると
信じていたという思い出話を伏線として
主人公が一人たたずんで迎えるエンデイングは
人生を幸不幸の両極端に色分けすることではなく
全力で生きることになにより価値があることを
表していたように思える。


個人的な嗜好と趣味が入るが
木村充揮のボーカルが心地良く響く
エンディングはパーフェクトである。