報道人は左利き


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民意、民意というけれど、今の日本の「民意」というのはメディア、特にテレビが作っているものじゃあないのか。10年ちょっと前に民放の報道局長が「政局はわれわれテレビ局の人間が作っている」というような発言をしてクビになったことがあるけれど、テレビが繰り返して流すものによって無定見な大衆が誘動されるという今の時代。民意というものはなんなのかと、いつもそう思ってテレビのニュースを見ている。


 民意というなら訊いてもらいたいと思う。なにひとつ落ち度や欠点のない精廉潔白な人に大臣や首相をやってもらえばいいのか。それとも多少の失敗やキズ、弱点があってもきちんと結果を出してくれるような有能な人、職責に身命を賭けて努力してくれる人がいいのか。普通の大人なら、政治家にだって精廉潔白な人なんて滅多にいないことを知っている。誰しも一個の人生を築いて、それなりの力を発揮するところまで行く過程の中でなんの波風もない、ひとつの過ちや落ち度も犯さないような人間なんて、まずひとりもいないことを、普通の大人なら知っている。出てくれば自分たちで持ち上げて、押し出しておきながら、すぐにマイナス面、うまくいっていない面ばかり強調して、叩いて潰していくという最近の政界人事の繰り返しに、大きな失望感を味わっている。


 若い安倍総理もあれだけ期待され、国民にも支持されながら、1年足らずのうちに、今度は決断力がないとか、人を見る目がないとか坊ちゃん気質だとか、ひとりで全責任を負った上バカ者扱いをされて、あっという間にボロボロになって辞めさせられていく。自分から辞めたという形ではあるけれど、心身ともに余程追いつめられていたのだろう。タイミングが悪い、無責任だというが、本人は命懸けでやっていただろうと思う。この間まで日本人の「武士道」や日本人の「品格」についての本がベストセラーになって、多少は武士の情けや人間の品位を問い直す風潮が出てくるのかなと、淡い期待ながらそんな思いでいたのだが、寄ってたかって魔女狩りみたいな、弱い者いじめの世界ばかり見せられている。


野球が専門の星野氏であるが、的を射た意見だと思う。
TBS、テレ朝と云わずテレビ局全体が中国か北朝鮮の代弁者のように
安倍首相を叩き、麻生幹事長だけに内閣の責任を追及し
テロ特措法延長に協力しない民主党首小沢を批判せず
福田氏が自民党後継総裁が決まったかのように報道には
正直うんざりしている。


先週、麻生氏は福田氏の国家観を聞いたことがないと指摘していたが
特定の東アジアだけに配慮し、それ以外の外交安全保障政策について
何ら指針を示さない人物が総理大臣として相応しいかどうか
そこを疑問として誰もとりあげない現状に不満を抱く。
麻生贔屓の引き倒しと云われれば、それまでだが
私は、親中派の福田氏が首相になることに国の危機を感じる。


最後の辞任で、最大の公約であった拉致問題解決を投げ出して
男を下げた感がある安倍首相だが
衆議院の安定多数に助けられたとはいえ、
実務的な能力はそれなりに高かったと思う。


ただ、靖国参拝を巡る曖昧戦術などが、
彼の支持基盤であった保守層から反発を呼び、
閣僚を必要以上に庇い過ぎてしまった。
高邁な理想を掲げるのは良いとしても
庶民の生活の向上を期待させるような政策にも
取り組んでいると思わせる必要性に気がつかなかったのは
致命的だったと思う。


それにしても、1年前安倍人気にあやかり
勝ち馬に乗れとばかりに踊った連中が
1年後の今日には手のひらをかえしたように
安倍元首相を批判するばかりか麻生幹事長を非難している。
福田氏におべっかを使い猟官運動に励む各派閥の言動は
醜くそして見苦しい。
論功行賞でポストをねだって
金の使い道を追求され安倍政権の足を引っ張ったのは
お前らじゃないのか、と心の底より憤りがこみ上げてくる。



産経ニュース

【ワシントン=古森義久】日本の民主主義やナショナリズムの研究を専門とする米国ジョージタウン大学東アジア言語文化学部長のケビン・ドーク教授は14日の産経新聞とのインタビューで、安倍晋三首相の辞任表明に関連して、安倍氏が米国では日本の歴代首相のうちでも「明確なビジョン」を持った指導者としての認知度がきわめて高く、米国の対テロ闘争への堅固な協力誓約で知られていた、とする評価を述べた。

 ドーク教授はまず安倍首相の約1年に及ぶ在任の総括として「安倍氏は比較的、短い在任期間に日本の他の多くの首相よりもずっと多くの業績を残したが、その点がほとんど評価されないのは公正を欠く」と述べ、その業績として(1)教育基本法の改正(2)改憲をにらんでの国民投票法成立(3)防衛庁の省への昇格−の3点をあげた。