三都物語

三都物語 (新潮文庫)



冒険小説家船戸与一の短編小説。
日本、台湾、韓国のプロ野球を題材としている。
当初は、この作品が短編集であることに気が付かず
「?」ばかりで船戸は何がいいたいのか全く分からなかったが
解説を読んで、野球と黒社会の関わりを描いた連作であるを知り
得心がいった。


躍進、栄光、信義、裏切、欺瞞、名誉、挫折等々
野球に関わる新旧の人間の、本流を離れた人間の生き様と
それを取り巻く黒い闇を事細かに描いており
さもありなんーと思わせる一冊である。
ただ、従来の冒険小説のスケールの大きさからすれば
こじんまりとまとまった感があり、
何か物足りなさが残るのも事実である。