白川静博士


字通


産経ニュース

漢字研究の第一人者、白川静氏死去

 漢字研究の第一人者で、文化勲章受章者の白川静(しらかわ・しずか)氏が10月30日午前3時45分、多臓器不全のため京都市内の病院で死去した。96歳。福井市出身。自宅は非公表。近親者のみで密葬をすませた。後日お別れの会を行うが、日取りなどは未定。

 立命館大学法文学部漢文学科卒。昭和29年から56年まで立命館大学教授、その後同大学名誉教授。殷代の甲骨文や金文を徹底的に研究し、漢字をその成り立ちから解明した。後漢代に成立した最古の字書「説文解字」の誤りを指摘するほどだった。

 59年には漢字の字源辞典「字統」を刊行。続いて漢字と訓読みの関係を探った「字訓」を発刊した。さらに平成8年には、13年半の歳月をかけた漢和辞典「字通」を刊行。独力で完成させた「字書」三部作として、高く評価された。その後も改訂作業を続け、16年に「新訂字統」、17年に「新訂字訓」を刊行した。

 晩年は、中国の古典と万葉集の比較など、漢字を通じた東アジア文化研究にも視野を広げた。ほかの著書に「金文通釈」「文字逍遥」など。平成3年菊池寛賞、10年文化功労者、16年文化勲章

(11/01 21:32)


朝日新聞の記事によると
http://book.asahi.com/news/OSK200611020051.html

白川静さん、「東洋の回復」願う生涯 漢字の源流を追う2006年11月03日

「平和だった東洋は1850年の太平天国の乱以来、分解した。中国は簡体字、韓国はハングルが主流になり、漢字文化圏は四分五裂した。アジアが分裂して争うのは不自然極まりないこと」が持論。東洋文化や精神を漢字を通じて再生するのが宿願だった。


東アジアの漢字文化圏が分裂したこととと日中韓の政治的抗争は
関係ないと思うが、ま、朝日の記事だから・・・。
ただ、宿願とされた"東洋文化や精神を漢字を通じての再生"には同意する。


中国ほどではないが日本で使う漢字も戦後GHQの影響で簡略化された。
これによって何が困ったかといえば、
一般人(tacaQも一般ピーポウだが)が古典に属する書籍や記録へ
アプローチがしづらくなった。
大げさにいえば、歴史と伝統の断絶が起きてしまった。
それをあえて意図していたかどうかは知らないが、
GHQはそうしたことが起きるのを予期して一連の施策を行った。


白川静博士の訃報を聞き、漢字を大事にしなきゃなと思う。




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