憲法改正

防衛庁「省昇格」、公明党神崎代表が容認
http://www.asahi.com/politics/update/1129/013.html


公明党の神崎代表は29日、福岡市内で講演し、自民党内で再浮上している防衛庁の省昇格問題について「政府が来年の通常国会に閣法として提出したいのであれば、党内で議論して結論を出したい。ただ、省昇格が今なぜ必要か国民にわかりやすく説明することが重要だ」と述べ、党として一定の条件を付けた上で容認する考えを示した。その例として「例えば防衛国際平和省とか、防衛国際貢献省とか(に名称に変えて)、自衛隊の性格が変わったということを国民に示すことが必要ではないか」と指摘した。

元記事が見あたらないのでEast Asia News Watch(k-mokuson)さんから転載
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この政党の頭の毛の三本足りなさに、今更言及しても意味はないが
あきれるより他はない。
金をバラまけさえすれば勲章同様、平和を買えると思っているのだろうか。
目先の欲に飛びつく有権者の票は買えても、金で買えないものがあることくらいは
知っておくべきだろう。
こうした有権者に耳あたりのいい言葉でお為ごかしを繰り返し
国家財政により負担をかけることしかしない政党が与党にいて
それを退かすことができないのが、今この国の最大の不幸かも知れない。
もとはといえば、そうした政党を選んだ国民の頭も悪いから
この国民にしてこの政府ありというところか。



先日、自民党憲法改正の草案を発表したが
その経緯が先月末の読売新聞に連載されていた。
その主なものを要約すると

  1. 郵政法案を通すために小泉首相は中曽根元首相に協力をしたが断られ、選挙に打って出て大勝。結果として草案から中曽根が腐心して書き上げた前文を削除した。
  2. 憲法9条改正を巡って、草案のための安全保障・非常事態小委員会で委員長の桝添は改正による党内外のアレルギーを押さえるために改正しやすいものを考え、イラク復興支援などの現状に鑑み海外での自衛隊活動を認めるような案文を提出した石破元防衛庁長官対立したが、桝添が自分の案を通した。
  3. 以前から憲法改正に意欲的であった山崎拓の試案は、ことごとく否定された。
  4. 自衛隊国防軍、防衛軍という名称をつけるよう意見もあったが、軍というイメージがおどろおどしいとか公明党は、自衛隊は合憲だが自衛軍違憲の可能性があると注文を付けた結果、自衛軍という名称を用いた。
  5. 船田元元経済企画庁長官が委員長を務めた国民の権利・義務小委員会からの提言六つの責務(国防、家庭等の保護、生命の尊厳、憲法尊重、環境保護)は、全て取り入れられず、憲法草案前文にわずかばかり責務を謳う文言が入った。

一読すると自民党憲法草案が政治的妥協の産物であることが理解できる。
自分は憲法学者ではないので、偉そうなことは言えないが
国民へのウケばかりを狙って憲法作成するのは如何なものかと思う。
もちろん、国民投票というプロセスが憲法改正に必要な以上、
国民の受け入れやすさも草案作成の一つの要点になりうるのだが
それを最優先して作るのは
ボロ小屋を塗装だけして中身を補強しないのに似ている。
もっとも"改革""改革"と叫ぶだけ叫んで、骨抜きの改革ばかり行って
中身より看板を優先する現自民党総裁らしい草案といえる。


大事なのは、イデオロギーや派閥の力学でなく
かくあるべきという理念ではないだろうか。
痛みを伴う正論を主張することは風当たりも強いし、理解されにくい部分がある。
だが、おためごかしを繰り返してそこにある危機を見えないようにするのが
政治ではない筈だ。
そうした素地が国民にないからだと云えば、それまでだが
自堕落かつ自己利益至上主義、軍事アレルギーの人間の集団を作り上げてきたのは
政府自身である。
こうした妥協で政治を続けて憲法改正しても、この国の未来は明るくならない。