政実


 
 

「無理強いはせぬ。無駄死となることもあろう。
 九戸党の誉れとして後世に名を残すことしか褒美と言えるものはない。
 それでも望む者は前へ進め。」


「天を衝く」高橋克彦

前日、というか当日朝の5時半まで呑んでいたが
九戸城探索に出かけるため9時に起床し、ミサワ駅へ。
GWに、ミサワに来ることを決めていたものの
事情があり行動予定が立てられず、球屋関係の知人以外には連絡がとれなかったが
津軽ロマン人波津見氏がBBSを通じてガイド役を買ってくれたので
氏と合流して一路八戸路へ向かう。
波津見氏と会うのは初めてだが、
話を聞くと、この日わざわざ実家のある五所川原からの来訪とのこと。
ちょっと氏の好意に甘えすぎたかも知れない。
ブログの雰囲気そのままの実直そうな方で、
気さくに話ができ楽しい時間を過ごせた。
(というより、tacaQのアルコホールが残っていたせいかも・・・)


10時半にミサワを出発し、県道をゆっくり南下し1時頃目的地の九戸城に到着
急峻な山の近くの城ということで、山城に毛が生えたようなものを想像していたが
なかなかどうして想像を遥かに越えた大きさの城跡だった。
往時を偲ぶ建物は何も残っておらず、家族連れがバーベキューなどをして
のどかな雰囲気を醸し出していたものの
川や山などの天然の要害に加えて、人の手が入った急峻な崖や深い濠などみれば
蒲生氏郷が凡将でなくてもてこずる筈と九戸党の活躍に納得。
中央から遠く離れた陸奥の地において、作り手の数すら満足になかっただろうに
これほどの造りの城を普請しようとは、政実の凄みを遅まきながら実感した。


北の鬼と呼ばれた阿呆とそれに付き従った阿呆の九戸党
高橋克彦の文章にのせられてはるばる関東から訪れるtacaQも、勿論阿呆であるが
ここで政実が戦った時、その意気やどれほどのものがあっただろうか。
頬にあたる北の風は少し冷やかで、硬い感じがした。