ずぅーっと会いたくて待ってたの
あみの上に優しく寝かせて
あなたにほてらされて
あたしは 色が変わるくらいキラキラ光る粒の飾りでオシャレ
だぁいすきよ もっと もっと あたしを愛して
だぁいすきよ あなたと一つになれるのなら
こんな幸せはないわ・・・お味はいかが?
「黒毛和牛上タン塩焼680円」大塚愛
最近、ぼちぼちと池波正太郎の小説を読み始めている。
大学時代「真田太平記」を読んで以来、とんとご無沙汰していたが
ここニ・三年、鼓腹氏とつるみ東京界隈で一杯ひっかける機会ができ
粋な江戸っ子作家の話題に触れているうちに
なんとなく読みたくなった。
三重県の方では、ポスターのコピーに使われた池波氏の文章を巡って
色々と物議をかもしているが
池波氏の文章そのものに、ケチをつけてはいないようなので
正当な抗議といっていいだろう。
食というものは、ある種の光悦を伴うものである以上官能的な匂いがつきまとう。
誤解を恐れず云えば、池波氏の食を官能に喩えた文章は、食の本質に迫るもので
伊賀牛の魅力*1を余すことなく表現しているのではないかと思う。
だが、いくら大作家の文章とはいえ、艶めかしい語句だけを切り取りして
コピーにすれば、インパクトはでるだろうが、かなり"きつい"表現になってしまい
それは、不特定多数の人間が見る広告としてはやはり不適なような気がする。
この騒動は、池波氏の文章が鋭すぎるゆえに起きたとも云えるわけだが
あちこちで話題になり伊賀牛の名を知らしめた結果からみれば
試合に負けて勝負に勝ったというべきか。
もし、騒動になることを計算に入れてポスターを製作したのならば、
道を踏み外した外道の広告ではあるが、担当者はかなりしたたか*2である。
以上、塩タン焼きは食べたいが女性の好みについて
贅沢は云えない云わないフェミニストを気取る男の独り言である。
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