フォレスト・ガンプ

フォレスト・ガンプ 一期一会 [DVD]


以前、拙作「世界で一番カッコ良かったキミへ」*1
公開した時、常連の方から「フォレスト・ガンプ」のよう、と
過分なコメントを頂き恐縮したことがある。
トム・ハンクスに叶わないことは映画をみる以前に明白ではあるが
フットボールのシーンもあるし、いつか見てみたい映画の一つに数えていた。


昨日、初めて「フォレスト・ガンプ」を見た。
知能障害の青年が、カレッジフットボールのスター、ベトナム戦の英雄etc
として成功する姿と彼の愛する幼馴染との微妙な交差を描いた物語である。
主人公フォレストの突飛で破天荒な行動が
時に笑いを誘い、時に涙を誘うといった感情の起伏が豊かなドラマで
丁寧に描きこまれた時代の風景やBGMが
現代アメリカが駆抜けた20世紀後半という時代の速さを
上手く表現していたと思う。
片親だったものの愛に恵まれたフォレストの真っ直ぐ愚直な生き方と
親から虐待を受けた幼馴染ジェニーが幸せを求めるが故に流され行く人生との対比も
象徴的であり、目先の損得に飛びついたり、小ざかしい知恵に振り回されることが
如何に愚かで無駄であるかを、この映画は諭しているのではないだろうか。
この作品に、ある種の共感シンパシーを覚えるのは
自分を含めた現代人が、成功や出世を求めるあまり、大事なものを見失い
人生に疲れているせいなのかも知れない。


真っ直ぐで泥臭い生き方も、また良し、である。

*1:ビル・マークレビッツのコラムに感激し、この感動をフットボールに興味がない人達へというコンセプトでフラッシュ素人のtacaQが無謀にも製作に取り組んだ作品。現在もGallary「ブルースを唄わないで」に置いてある。自作を振り返ってみると、絵は稚拙だし、間合いの取り方も悪かったりと顔面から火の出るような思いのする作品だが、少しでもフットボールファンが増えればと開き直って公開を継続中。tacaQファン(いるかどうか知らんけど・・・)は必見のこと