先週400ccの献血をした直後の昼休みに、サッカーをしたら、見事にものの5分で息が切れ、
グルグルと地球がシュンスケのFKの如く回転し始め、やがて青い空以外のものが目に入らなくなり
危うくU-31の藤堂クンになるところだった。


モーニングに連載していた「U-31」の藤堂ライバルの突然死、河野ヒーローの一度だけの代表復帰という
帳尻を合わせたようなご都合的フィナーレにフラストレーションを覚えながらも
現実の世界において、カズやゴンのような「テクニックよりハートだぜ」的初期型Jリーガーが
何人も残っていない現実を考えれば
このヘンが物語の落としどころかなというような気がしないでもない。



今週のNumberは、サッカーの特集号でアントラーズ鈴木隆行
ロングインタビューが掲載されていた。
アントラーズや彼個人のファンを除けば、はっきり言って鈴木の評判は悪い。
統計をとったわけではないが、代表ではジーコの次くらいに批判が多いような気がする。
曰く、ジーコの贔屓で代表に選ばれている。
曰く、すぐこけるし点が取れない。
曰く、華がない。

事実、彼のプレーはtacaQの生まれ故郷イバラキのサッカーのように泥臭く、
その指摘はいちいちに正しい。
(今は知らないが、昔のイバラキはキック&ゴーの単純なサッカーが主流だった)
ベルギーのゾルダーで多少のテクニックが身に付いたものの、
柳沢のように体格の差を埋めるテクニックは持ち合わせていないし、
久保のような爆発力もなければ、玉田のようなスピードもない。
華麗なパスワークでディフェンスを切り崩すのが常識のモダンサッカーに
目が慣れている人間にとって鈴木のプレーは、
前線でポストプレーとボールキープだけして、コカされているようにしか見えない。


だが、何度倒されようとも、初期型Jリーガーのように
「テクニックより魂だぜ」と言わんばかりの鋭い眼光を光らせながら
その都度立ち上がる彼を見るのがとても好きだ。

芝生の上に転がり、大地の香をかぎながら、見上げる空の青さを思いだしながらそう思う。