夢顔さんによろしく


夢顔さんによろしく 上―最後の貴公子・近衛文隆の生涯 文春文庫 に 9-3
最後の貴公子・近衛文隆の生涯

「名門近衛家の世継ぎでありながら放蕩狼藉の限りを尽くし、
 あげくの果てに赴任先の上海で、
 当時日本と交戦中であった蒋介石の放った美貌のスパイの罠にはまり、
 駆け落ち騒ぎを引き起こした。
 それに対する懲罰的意味合いをもあって、満州辺境に駐屯する部隊に二等兵として召集され、
 戦後シベリア抑留で先で命を落とした。」

スキャンダラスな御曹司の人物伝と捉えれば、それまだが、
それで片づけるにしては、あまりにも魅力に溢れている人物の生涯である。
時代の波に翻弄されながらも、日本男児としての矜持を忘れなかった姿を
我々は語り継がなければと思う。

劇団四季「異国の丘」の骨幹ともなった物語である。