- 作者: 井沢元彦,門坂流
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1997/12/18
- メディア: 文庫
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井沢元彦による歴史小説。
天智天皇と天武天皇の確執を描いた古代王朝物。
聖徳太子なきあと権勢を恣にした蘇我氏を伐ち
大化の改新を手がけた中大兄皇子だが
新羅の貴族の血をひく異父弟である大海人皇子を
疎ましく思い、軽侮する。
実妹である皇后との逢瀬
大海人皇子の妻額田を力づくでうばうなど
とどまるところを知らない好色。
暗愚ではないものの、軽薄で浅慮な考えで
大海人皇子や中臣鎌足の意見をかえりみず
傍若無人な態度で政ごとをとりしきり、
大和朝廷を危うくしつつあった中大兄皇子に
大海人皇子はある覚悟を固める。
どこまで史実に則っているか定かではないが
読みごたえのある歴史小説である。