アウトサイダーズ


数年前に古本屋で購入して以来
本棚の肥やしにしていた本である。
この春にも転勤!という話が出ているので
本の仕分けを開始したところ、
この本を再発見した。



フランシス・コッポラが映画化したことでも知られるこの作品は
1967年当時ハイスクールガールだったスーザン・ヒルトンが発表した。


事故で両親を失い、兄弟3人だけの家で暮らす
ポニーボーイは不良少年グループ・グリーサーズの一員として
足りないものだけの日々を過ごす。
ある日グリーサーズと敵対するソクスの女の子チェリーと
映画館で簡単な会話を交わす。
「あたしにはわかるのよ。あなたは夕陽もながめるでしょう」
その会話をきっかけにしてポニーボーイに大きな事件に巻き込まれる。
兄との対立と和解、ソクスからの襲撃、ナイフによる殺人、逃亡
火事、ソクスとグリーサーズの集団抗争、親友の死

誕生のとき、緑は黄金
ずくに消えてなくなる色
誕生のとき、葉は花、
だが、それも一刻まこと。
やがて、葉は葉。
エデンは悲しみの園と化し、
暁も昼に変わる。
ひとつとして黄金のままいられるものはない。


ロバート・フロストの詩を物語の主旋律にして
10代の煌めきを黄金に譬え
刹那的に生きざるを得ない若者の様を
スピード感ある筆致で描き出している。
夕陽を美しいと感じる感性を前面に押し出して
やや情緒的すぎるきらいもないではないが
そうした思いこみや錯覚、盲目こそが若さの特権であり
その”青さ”ゆえに多くの支持を集めたのだろうと思う。


仕分けを中断し、しばしば読みいってしまった。
陽が沈む頃までに部屋が片付けられるかを懸念しつつ
夕陽をひさびさに眺めたいと思う。



アウトサイダー [DVD]

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アウトサイダーズ (1983年)

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