坂の上の雲

成敗は天にありと雖(いえど)も人事を尽(つく)さずして天、天と云ふことなかれ

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/091011/acd0910110216000-n1.htm

若いころにはなにをしようかということであり、老いては何をしたかということである

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/091002/acd0910020240001-n1.htm

一家の滅亡、憂ふるに足らず、兄弟共に未曾有の国難に斃(たお)るゝを得ば一生の快事

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/091003/acd0910030304002-n1.htm


ここしばらくの産経新聞のコラム「次代の名言」は
司馬遼太郎坂の上の雲から引用が続いている。
坂の上の雲」は二十代前半の頃、手にとって以来、
都合三回は通読し
今でも好きな司馬作品の一つである。


司馬遼太郎は、後書きで、
坂の上に浮かぶ一朶の雲を目指して
歩いていこうとした楽天的な明治の人物らの物語と
記した。


日露日清戦争といった
国家の浮沈がかかった大事業を
猿まねと呼ばれながらも
滑稽なまでに必死で努力し、成し遂げた史実を著しつつ、
二流以下の才覚でも努力すれば
後世に誇る仕事ができるということを
司馬は述べたかったのだと思う。


だからこそ太平洋戦争で優秀な人物を失っていた
復興期の日本に、広く支持され、愛されたのだろう。



坂の上に一朶の雲があるのか
それすらも見えないようなまつりごと軽い時代
それでも、なんとかしなきゃなるめいと
覚悟だけは持っていようと願う。


二流となれど後世に笑われることだけはすまじ。


新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

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