ファーストフードネーション


以前エントリーで紹介した本を
ベースとして映画化した本作は、
我々の食が如何に危険なのかを訴える一方で
観る者の首筋に冷たい刃物を突きつけるような恐怖感をもたらす。
正直、最後のシーンでハンバーガーチェーンのロゴを
見せつけられた時には、悲鳴を上げたくなった。
ブラックユーモアを通り越して、もはやホラーですらある。


架空のハンバーガーチェーン「ミッキーズ」の商品を中心に
展開される牧場、食肉加工場、各チェーン店での風景は
利潤を過剰に追求した現代アメリカの病巣であり
我々の脅威となる紛れもない事実なのである。



予告編には「知らない方が幸せなこともたくさんあるんだよ」との
コピーがついたが、まさしくこの映画は
観ないことを選択したならば、
かりそめの幸せな食生活を保証してくれるだろう。
だが、知ると知らざるとに関わらず
隣国の農薬入り食品の例を持ち出すまでもなく
我々の安全は確実に脅かされているのは事実である。